因数定理と高次方程式

重要度 難易度

こんにちは、リンス(@Lins016)です。
今回は因数定理と高次方程式について学習していこう。

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因数定理を利用して高次方程式を解こう

二次方程式には解の公式があるけど、三次方程式の解の公式って教わってないよね。教科書とかには載ってないけど、三次方程式の解の公式も実はあるんだ。

でもその公式って非常に複雑な式で、高校数学(大学受験)だとその公式を使わないと解けない問題は出題されない。

だから高校数学では三次方程式をノーヒントで解けっていう問題が出題されたら、複雑な答えの問題ではなく、今回学習する因数定理を使って因数分解することができる問題になるんだ。

つまり高次方程式は因数定理をきちんと覚えていないと解けないってことになるから、しっかりと押さえておこう。
数学Ⅱの微分法でも出題されることもあるからね。

因数定理と高次方程式

因数定理
多項式\(\small{ \ P(x) \ }\)が\(\small{ \ x-a \ }\)を因数に持つなら\(\small{ \ P(a)=0 \ }\)である
多項式\(\small{ \ P(x) \ }\)が\(\small{ \ ax+b \ }\)を因数に持つなら\(\small{ \ P\left(-\displaystyle\frac{b}{a}\right)=0 \ }\)である

高次方程式の解
\(\small{ \ ax^3+bx^2+cx+d=0 \ }\)の解の候補は\(\small{ \ x=\pm\displaystyle\frac{dの約数}{aの約数} \ }\)である

因数定理とは

因数定理とは「多項式\(\small{ \ P(x) \ }\)が\(\small{ \ x-a \ }\)を因数に持つなら\(\small{ \ P(a)=0 \ }\)になる」ってこと。

\(\small{ \ P(x) \ }\)を\(\small{ \ x-a \ }\)で割った商を\(\small{ \ Q(x) \ }\)余りを\(\small{ \ R \ }\)とすると\(\small{ \ P(x)=(x-a)Q(x)+R \ }\)が成り立つ。
この式から\(\small{ \ P(x) \ }\)を\(\small{ \ x-a \ }\)で割った余りは\(\small{ \ P(a) \ }\)になる。
これが剰余の定理だったよね。

因数定理は\(\small{ \ x-a \ }\)が\(\small{ \ P(x) \ }\)の因数になるってことだから\(\small{ \ R=0 \ }\)になって
\(\small{ \ P(x)=(x-a)Q(x) \ }\)が成り立つ。

この式に\(\small{ \ x=a \ }\)を代入すると、\(\small{ \ P(a)=0 \ }\)になる。

だから多項式\(\small{ \ P(x) \ }\)が\(\small{ \ x-a \ }\)を因数に持つなら\(\small{ \ P(a)=0 \ }\)になるっていえるよね。

これを応用して\(\small{ \ P(x) \ }\)が\(\small{ \ ax+b \ }\)を因数に持つとすると
\(\small{ \ P(x)=(ax+b)Q(x) \ }\)になる。

この式に\(\small{ \ x=-\displaystyle\frac{b}{a} \ }\)を代入すると\(\small{ \ P\left(-\displaystyle\frac{b}{a}\right)=0 \ }\)になる.

つまり「多項式\(\small{ \ P(x) \ }\)が\(\small{ \ ax+b \ }\)を因数に持つなら\(\small{ \ P\left(-\displaystyle\frac{b}{a}\right)=0 \ }\)になる」ことも因数定理になるんだ。

高次方程式の解き方

二次方程式だったら因数分解や解の公式を使って簡単に解を求めることが出来たよね。

でも三次以上の方程式(高次方程式)だとそう簡単に因数分解できない。
だから因数定理を利用して高次方程式が持つ因数を求めるんだ。

高次方程式\(\small{ \ P(x)=0 \ }\)に\(\small{ \ x=a \ }\)を代入して\(\small{ \ P(a)=0 \ }\)になる\(\small{ \ a \ }\)を見つけよう。

\(\small{ \ a \ }\)が見つかると\(\small{ \ P(x) \ }\)は\(\small{ \ x-a \ }\)を因数に持つから、\(\small{ \ P(x)=(x-a)Q(x) \ }\)って因数分解できる。

因数分解の仕方は整式の割り算でもいいし、組立除法でもいいからね。

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\(\small{ \ Q(x) \ }\)は\(\small{ \ P(x) \ }\)より次数が一次下がっているから、\(\small{ \ Q(x) \ }\)が二次式になれば解の公式や因数分解を使えばいいし、まだ三次式以上であればもう一度因数を見つければいい。

こうやって因数を見つけて\(\small{ \ P(x) \ }\)を因数分解して方程式を解こう。

ちなみに代入して\(\small{ \ P(x)=0 \ }\)を満たした\(\small{ \ x=a \ }\)は高次方程式の\(\small{ \ 1 \ }\)つの解になるからね。

高次方程式の解の見つけ方

\(\small{ \ P(x)=0 \ }\)を満たす高次方程式の解はただ闇雲に適当な数字を代入したらダメなんだ。

高次方程式の最高次数の項の係数と定数項の係数から\(\small{ \ P(x)=0 \ }\)の解を見つけよう

\(\small{ \ ax^3+bx^2+cx+d=0 \ }\)の解は\(\small{ \ x=\pm\displaystyle\frac{d \ の約数}{a \ の約数} \ }\)が候補になる。

例えば\(\small{ \ 2x^3-7x^2+2x+3=0 \ }\)の場合、最高次数の項の係数の\(\small{ \ 2 \ }\)と定数項の\(\small{ \ 3 \ }\)の約数はそれぞれ\(\small{ \ 1 \ }\)と\(\small{ \ 2 \ }\)、\(\small{ \ 1 \ }\)と\(\small{ \ 3 \ }\)だよね。

だから\(\small{ \ 2x^3-7x^2+2x+3=0 \ }\)の解の候補は
\(\small{ \ x=\pm1, \ \pm3, \ \pm\displaystyle\frac{1}{2}, \pm\ \displaystyle\frac{3}{2} \ }\)になる。
この解の候補を\(\small{ \ 2x^3-7x^2+2x+3 \ }\)に代入して\(\small{ \ 0 \ }\)になる数を探そう。
その数を\(\small{ \ a \ }\)とすると高次方程式の解の一つが\(\small{ \ x=a \ }\)で、さらに\(\small{ \ x-a \ }\)で高次方程式が因数分解できるからね。

それじゃなんで解が\(\small{ \ x=\pm\displaystyle\frac{d \ の約数}{a \ の約数} \ }\)になるのか考えてみよう。

\(\small{ \ ax^3+bx^2+cx+d=0 \ }\)の解を\(\small{ \ x=\alpha, \ \beta, \ \gamma \ }\)とすると、\(\small{ \ ax^3+bx^2+cx+d=a(x-\alpha)(x-\beta)(x-\gamma) \ }\)が成り立つよね。

この右辺を展開すると

\(\small{ \ a\left\{x^3-(\alpha+\beta+\gamma)x^2+(\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha)-\alpha\beta\gamma\right\} \ }\)

になるから定数項を比較すると
\(\small{ \ d=-a\alpha\beta\gamma \ }\)になる。

つまり\(\small{ \ \alpha\beta\gamma=-\displaystyle\frac{d}{a} \ }\)になるから、解が有理数なら\(\small{ \ \displaystyle\frac{d}{a} \ }\)の約数が\(\small{ \ \alpha, \ \beta, \ \gamma \ }\)のどれかになるっていえるよね。

もちろん解が無理数や虚数の場合は、簡単に解を見つけることはできないからね。

だから方程式の解は\(\small{ \ \displaystyle\frac{d}{a} \ }\)の約数、つまり\(\small{ \ x=\pm\displaystyle\frac{d \ の約数}{a \ の約数} \ }\)が候補になるんだ。

例題を確認
問題解答

次の方程式を解け。
(1)\(\small{ \ 4x^3+x^2-6x-3=0 \ }\)

(2)\(\small{ \ (x^2-5x+1)(x^2-5x+9)+15=0 \ }\)

(1)
\(\small{ \ 4x^3+x^2-6x-3=0 \ }\)
\(\small{ \ f(x)=4x^3+x^2-6x-3 \ }\)とすると
\(\small{ \ f(-1)=0 \ }\)より
\(\small{ \ (x+1)(4x^2-3x-3)=0 \ }\)
\(\small{ \ x+1=0, \ 4x^2-3x-3=0 \ }\)
\(\small{ \ x=-1, \ \displaystyle \frac{3\pm \sqrt{57}}{8} \ }\)

(2)

\(\small{ \ (x^2-5x+1)(x^2-5x+9)+15=0 \ }\)

\(\small{ \ t=x^2-5x \ }\)とすると
\(\small{ \ (t+1)(t+9)+15=0 \ }\)
\(\small{ \ t^2+10t+24=0 \ }\)
\(\small{ \ (t+4)(t+6)=0 \ }\)
\(\small{ \ t=-4, \ -6 \ }\)
\(\small{ \ t=-4 \ }\)のとき
\(\small{ \ x^2-5x+4=0 \ }\)
\(\small{ \ (x-4)(x-1)=0 \ }\)
\(\small{ \ \therefore x=4, \ 1 \ }\)
\(\small{ \ t=-6 \ }\)のとき
\(\small{ \ x^2-5x+6=0 \ }\)
\(\small{ \ (x-2)(x-3)=0 \ }\)
\(\small{ \ \therefore x=2, \ 3 \ }\)

point
三次方程式なら組み立て除法を使わなくても因数分解することはできる。

例えば\(\small{ \ f(x)=4x^3+x^2-6x-3 \ }\)とするとは\(\small{ \ f(-1)=0 \ }\)になるから\(\small{ \ f(x) \ }\)は\(\small{ \ (x+1) \ }\)で因数分解できる。
このとき\(\small{ \ f(x) \ }\)の最高次の係数と定数項の数値に注意すると\(\small{ \ f(x)=(x+1)(4x^2+ax-3) \ }\)ってなることはわかるよね。

あとは\(\small{ \ x^2 \ }\)の係数は\(\small{ \ x\times ax \ }\)と\(\small{ \ 1\times 4x^2 \ }\)の項の和だから、\(\small{ \ a=-3 \ }\)って頭の中で計算できるよね。
組立除法や整式の割り算で求めてもいいけど、これぐらいだったら頭で計算できるようにしておこう。

また(2)の問題みたいに二次式を\(\small{ \ t \ }\)とおくことで次数を下げることもできるから、文字を置き換えることで式が簡単にできるものは展開せずに解こう。

この問題は解が整数だから展開しても解を見つけて因数定理で解くことができるけど、無理数や虚数解しか解に持たない場合は展開すると解を見つけることができないからね。

Point 因数定理と高次方程式

①\(\small{ \ f(x)=0 \ }\)を満たす解を最高次数の項と定数項の約数から見つけよう
②解が見つかったら因数分解して、高次方程式の次数を下げよう

それじゃあ次は入試レベルの問題にチャレンジしてみよう。
入試レベルにチャレンジ
問題解答

\(\small{ \ a \ }\)を正の定数とし、\(\small{ \ P(x)=x^3+(4-a)x^2-\displaystyle \frac{7}{2}ax-\displaystyle \frac{a^2}{2} \ }\)とする。
(1)\(\small{ \ x^3+2x^2-7x-2=0 \ }\)を解け。
(2)\(\small{ \ P(x)=0 \ }\)が実数解をただ\(\small{ \ 1 \ }\)つもつとき、\(\small{ \ a \ }\)の範囲を求めよ。
(3)\(\small{ \ P(x)=0 \ }\)が異なる\(\small{ \ 3 \ }\)つの整数解をもつとき、\(\small{ \ a \ }\)の値と整数解をすべて求めよ。

(1)\(\small{ \ x^3+2x^2-7x-2=0 \ }\)
\(\small{ \ (x-2)(x^2+4x+1)=0 \ }\)
\(\small{ \ \therefore x=2, \ -2\pm\sqrt{3} \ }\)

(2)\(\small{ \ P(a)=0 \ }\)より
\(\small{ \ P(x)=(x-a)\left(x^2+4x+\displaystyle \frac{a}{2}\right)=0 \ }\)となる。
\(\small{ \ a \ }\)は正の定数より
\(\small{ \ x^2+4x+\displaystyle \frac{a}{2}=0 \ }\)の解は\(\small{ \ x=a \ }\)ではない。
よって実数解を\(\small{ \ 1 \ }\)つもつのは
\(\small{ \ x^2+4x+\displaystyle \frac{a}{2}=0 \ }\)が虚数解を持つときである。
判別式を\(\small{ \ D \ }\)とすると
\(\small{ \ D=4^2-4\cdot1\cdot\displaystyle \frac{a}{2}\lt0 \ }\)
\(\small{ \ \therefore a\gt 8 \ }\)

(3)(2)より\(\small{ \ x=a \ }\)は一つの解であるから、\(\small{ \ a \ }\)は自然数である。
また\(\small{ \ x^2+4x+\displaystyle \frac{a}{2}=0 \ }\)も実数解をもつので
\(\small{ \ D\gt 0 \ }\)\(\small{ \ \therefore a \lt 8 \ }\)
よって\(\small{ \ a \ }\)は自然数かつ\(\small{ \ a \lt 8 \ }\)より
\(\small{ \ \therefore 1\leqq a \leqq 7 \ }\)
\(\small{ \ x^2+4x+\displaystyle \frac{a}{2}=0 \ }\)の解は
\(\small{ \ x=-2\pm\sqrt{4-\displaystyle \frac{a}{2}} \ }\)より
これが整数になる\(\small{ \ a \ }\)は\(\small{ \ a=6 \ }\)である。
よって求める解は\(\small{ \ x=-3, \ -1, \ 6 \ }\)

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