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順列と人の並び方

重要度 難易度

こんにちは、リンス(@Lins016)です。
今回は順列と人の並び方について学習していこう。

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順列と人の並び方

ボールや文字は同じものの場合区別がつかないけど、人は同じ人は一人もいないから全員区別がつくよね。
今回は人を一列に並べる順列の学習をしていこう。

もちろん人じゃなくても区別が付くものを並べる問題は同じように解けるからしっかりと覚えていこう。

順列と人の並び方

①条件部分から式を立てる
②隣接する・しないは間に入るを考える
③「少なくとも」は余事象を考える

人の並び方

まずは単純に一列に並ぶ場合を考えよう。
\(\small{ \ n \ }\)人が一列に並ぶのは\(\small{ \ {}_n\mathrm{P}_n \ }\)通り、つまり\(\small{ \ n! \ }\)通りあるからね。
これはさっきも言ったけど、人は区別がつくから\(\small{ \ n! \ }\)になるんだ。

例えばカラーボールを並べるときに、全部違う色だったら区別がつくけど、同じ色のボールだったら区別がつかないよね。
まぁ~傷をつけたり、落書きしたりすれば区別がつくけど、基本的には区別がつかないってのが条件になるから、ボールなんかは単純に\(\small{ \ n! \ }\)ってできないんだ。

この区別がつかないものを並べる順列に関しては今度勉強するから、今日は触れずに先に進むね。
まずは人は完全に区別がつくってことを覚えておこう!

条件を先に考える

順列の問題には、「\(\small{ \ n \ }\)人を並べて」みたいな単純な問題はほとんど出題されない。
「両端が男子」とか「女子は隣り合わない」とか「A君とBさんの間に二人いる」とか条件のある問題がほとんだよね。

だから問題を解くとき、まずはこの条件から考えるようにしよう
条件から考えるっていうのは、条件部分から式を立てていくってこと。
条件を後回しにすると解きにくくなるからね。

両端が同じ性別問題

両端を指定する問題は2パターンある。
それは「両端が男子(または女子)である」と「少なくとも一端が男子(または女子)」の二つ。

まずは「両端が男子」の場合について考えてみよう。
まずは両端の並びを決めよう。さっきも言ったように条件の部分から考えるのが基本だからね。
両端の並びは男子の中から二人を並べるから\(\small{ \ {}_{男子の数}\mathrm{P}_2 \ }\)になるよね。
全員で\(\small{ \ n \ }\)人いるとすると、この両端を決めたら残りは両端の\(\small{ \ 2 \ }\)人を除いた単純な順列\(\small{ \ (n-2)! \ }\)になるからね。

つまり求める答えは\(\small{ \ {}_{男子の数}\mathrm{P}_2\cdot(n-2)! \ }\)になる。
人を並べる順列-01

余事象の問題

次に「少なくとも一端が男子」の場合について考えてみよう。
両端の場合分けを考えると
男○○○…○○○男
男○○○…○○○女
女○○○…○○○男
女○○○…○○○女
この4パターンになる。
この4パターンが全てのパターンになるからね。

「少なくとも一端が男子」は一番下の両端が女子の場合以外になるから、残りの3パターンを調べる必要があるよね。
でも逆に一番下のパターンの数を全体の数から引いたら、「少なくとも一端が男子」の数がわかるよね。

場合の数や確率でよく出題される「少なくとも」を含む問題は、それを満たす数を調べるんじゃなくて、それを満たさない数を調べて、それを全体から引いて求めることがほとんどなんだ。
この「それを満たさない数」を余事象っていうからね。

余事象については集合の考え方を使うから一度確認しておこう。
問題文に「少なくとも」って言葉が入っていたら余事象を必ず考えるようにしよう。

隣接する順列

次は「特定の二人が隣り合う順列」について考えてみよう。
特定の二人って言われると、まず二人を選びたくなるけど、それは間違いだからね。特定の二人って言われると「A君とB君」のように「決められた二人」ってことになるから、二人を選ぶわけじゃないから注意しよう。

この二人が隣り合うってことは、この二人をひとまとめにして、一人として考えればいいんだ。
全員でこの特定の二人を一人と見たときの全員の並べ替え\(\small{ \ (n-1)! \ }\)と、特定の二人の左右の並べ替えの\(\small{ \ 2! \ }\)を掛けて計算しよう。
つまり求める答えは\(\small{ \ (n-1)!\cdot2! \ }\)になる。

順列と人の並べ方--02

隣接しない順列

次は女子が隣合わない順列について考えてみよう。
この場合「女子のあいだに男子が入る」って考えると難しくなるから、「男子のあいだに女子が入る」って考えよう。
つまり図の×のところに女子が入るってこと。
順列と人の並べ方-03
女子が隣り合わないってことは、男子は隣り合っていいってことだよね。
つまり女子のあいだに男子が入るって考えると、女子のあいだに男子が一人入る場合もあるし、二人入る場合もあるから、それを考え出すだすときりがなくなっちゃうよね。
順列と人の並べ方-04
だから女子が隣り合わないって言われたら必ず男子のあいだに女子が入るって考えよう

その数を求める計算だけど、まずは男子の並びを数えよう。男子の並び方は男子の人数の階乗になるよね。女子が男子の間に入る前に男子を並び替えようって考えたんだ。
そしてこの男子のあいだに女子を並べればいいから、女子の並びは順列の\(\small{ \ \mathrm{P} \ }\)(パーミテーション)を利用しよう。

女子の入ることができる×の数は男子のあいだと一番前と一番後ろで「男子の数+1」になるからね。
つまり\(\small{ \ (男子の人数)!\times {}_{男子の人数+1}\mathrm{P}_{女子の人数} \ }\)になる。

特定の二人のあいだに定められた人数が入る順列

次は「特定の二人の間に定められた人数が入って並ぶ問題」について考えてみよう。
この場合、まずは条件、つまり特定の二人の間に入る人を並べることから考えよう。
さらに特定の二人は左右入れ替えてもいいよね。
次にこの特定の二人とその間に入る人をひとまとめとして、全員の順列を考えよう。
順列と人の並べ方-05
つまりこの計算は特定の二人以外から間に入る二人を選んで並べて、特定の二人の左右の入れ替えて、さらに特定の二人とその間にいる人ををひとまとめにして、全員を並び替える計算になるから、
\(\small{ \ {}_{全員の人数-2}\mathrm{P}_2\times2\times(全員の人数-3)! \ }\)になるんだ。

例題を確認
問題解答

女子\(\small{ \ 5 \ }\)人、男子\(\small{ \ 4 \ }\)人が一列に並ぶとき、次の並び方は何通りあるか。
(1)女子\(\small{ \ 5 \ }\)人が続いて並ぶ
(2)女子は女子、男子は男子で続いて並ぶ
(3)両端が男子
(4)少なくとも一端に女子がいる
(5)どの男子も隣り合わない
(6)男女が交互に並ぶ

(1)男子\(\small{ \ 4 \ }\)人と女子\(\small{ \ 5 \ }\)人をひとまとめにした並び方は\(\small{ \ 5! \ }\)通り
ひとまとめにした女子の並び方は\(\small{ \ 5! \ }\)通り
\(\small{ \ \therefore 5!\times5!=14400 \ }\)

(2)女子と男子をそれぞれひとまとめにして、男女、女男の順があるから
\(\small{ \ \therefore4!\times5!\times2=5760 \ }\)

(3)両端の男子の並び方は\(\small{ \ {}_4\mathrm{P}_2 \ }\)通り
両端の男子\(\small{ \ 2 \ }\)人を除く残り全員の並び方は\(\small{ \ 7! \ }\)通り
\(\small{ \ \therefore{}_4\mathrm{P}_2\times7!=60480 \ }\)

(4)全ての並び方から両端が男子の場合を引けばよい
\(\small{ \ \therefore 9!-{}_4\mathrm{P}_2\times7!=302400 \ }\)

(5)どの男子も隣り合わない
男子を女子の間に並べる並べ方は\(\small{ \ {}_6\mathrm{P}_4 \ }\)通り
女子の並び方は\(\small{ \ 5! \ }\)通り
\(\small{ \ \therefore {}_6\mathrm{P}_4\times5!=43200 \ }\)

(6)男女が交互に並ぶ
男女が交互に並ぶには先頭が女子である必要がある
男子の並び方は\(\small{ \ 4! \ }\)通り
女子の並び方は\(\small{ \ 5! \ }\)通り
\(\small{ \ \therefore 4!\times5!=2880 \ }\)

point
(4)の余事象を考える問題の場合、
\(\small{\begin{eqnarray} \ &&9!-{}_4\mathrm{P}_2\times7!\\
&=&9\cdot8\cdot7!-4\cdot3\cdot7!\\
&=&7!(72-12)\\
&=&302400 \ \end{eqnarray}}\)
のように共通している階乗の部分でくくりだして計算しよう。

Point 順列と人の並び方

①まずは条件部分から考える
②隣接する・しないのパターンを理解する
③少なくともは余事象を考える

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名前:リンス
職業:塾講師/家庭教師
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