図形と方程式 数学II

対称式で表された軌跡の方程式

重要度 難易度

こんにちは、リンス(@Lins016)です。
今回は対称式を利用した軌跡の方程式について学習していこう。

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対称式とは

2つの変数の式の2つの文字を交換しても前の式と同じ式になる場合、この式はその2つの文字についての対称式って言える。対称式は基本対称式だけで表すことができる。また、複数の変数がある式の中でも、どの2変数を交換しても同じ式になる場合も対称式と言えるから覚えておこう。

基本対称式

\(\small{ \ 2 \ }\)文字の基本対称式
 \(\small{ \ a+b \ }\)、\(\small{ \ ab \ }\)
\(\small{ \ 3 \ }\)文字の基本対称式
 \(\small{ \ a+b+c \ }\)、\(\small{ \ ab+bc+ca \ }\)、\(\small{ \ abc \ }\)

\(\small{ \ n \ }\)文字の対称式は、その\(\small{ \ n \ }\)文字の基本対称式だけで表すことができる。

軌跡の点が対称式になっている問題

今回学習する軌跡は求める軌跡の点が\(\small{ \ (x+y, \ xy) \ }\)の形になっている問題なんだ。この場合、元の与えられた条件以外に、実数条件も必要になってくるから毎回忘れないようにしよう。

例題を確認
問題解答

実数\(\small{ \ a \ }\)、\(\small{b \ }\)が\(\small{ \ a^2+b^2+a+b=1 \ }\)を満たしながら変わるとき、点\(\small{ \ (a+b, \ ab) \ }\)はどんな曲線を描くか。

\(\small{ \ (x, \ y)=(a+b, \ ab) \ }\)とすると
\(\small{\begin{eqnarray} \ &&a^2+b^2+a+b\\
&=&(a+b)^2-2ab+(a+b)\\
&=&x^2-2y+x=1 \ \end{eqnarray}}\)
\(\small{ \ y=\displaystyle \frac{1}{2}x^2+\displaystyle \frac{1}{2}x-\displaystyle \frac{1}{2} \ }\)
ここで\(\small{ \ a \ }\)、\(\small{b \ }\)は\(\small{ \ t^2-xt+y=0 \ }\)の解である。
よって\(\small{ \ a \ }\)、\(\small{b \ }\)の実数条件より\(\small{ \ D=x^2-4y\geqq0 \ }\)
\(\small{ \ y=\displaystyle \frac{1}{2}x^2+\displaystyle \frac{1}{2}x-\displaystyle \frac{1}{2} \ }\)より
\(\small{ \ x^2-4\left( \displaystyle \frac{1}{2}x^2+\displaystyle \frac{1}{2}x-\displaystyle \frac{1}{2}\right)\geqq0 \ }\)
\(\small{ \ x^2+2x-2 \leqq 0 \ }\)
\(\small{ \ \therefore -1-\sqrt{3} \leqq x \leqq -1+\sqrt{3} \ }\)
よって求める軌跡は
\(\small{ \ y=\displaystyle \frac{1}{2}x^2+\displaystyle \frac{1}{2}x-\displaystyle \frac{1}{2} \ }\)\(\small{( -1-\sqrt{3} \leqq x \leqq -1+\sqrt{3}) \ }\)

point
\(\small{ \ a^2+b^2+a+b \ }\)は\(\small{ \ a \ }\)と\(\small{ \ b \ }\)を交換しても同じ式になるから対称式だよね。ってことは基本対称式だけで表すことができる。

Point

①2文字を入れ替えても同じ式の場合、対称式だから基本対称式だけで表すことができる
②対称式の軌跡の問題は実数条件を忘れないようにしよう。

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リンス

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