こんにちは、リンス(@Lins016)です。
今回はn乗の式を含む隣接二項間漸化式について学習していこう。
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n乗の式を含む隣接二項間漸化式の式変形
今回は an+1=pan+q an+1=pan+q の p= p=定数( ≠1≠1)で q=rn q=rn のような定数の n n 乗などの n n を指数に含む形の漸化式についての学習だ。
これもある工夫をして等差数列や特性方程式を利用する形に変形していくから、その方法をしっかりと学習しよう。
an+1=pan+q an+1=pan+q
p=定数(≠1)、q=rnの式
①両辺を rn+1 で割ると
an+1rn+1=pr⋅anrn+定数
②両辺を pn+1 で割ると
an+1pn+1=anpn+b(rp)n−1
an+1rn+1=pr⋅anrn+rの式
p=定数(≠1)、q=rnの式 の場合は、rn+1 で両辺を割ろう。
このとき q は q=rn でもq=rn+1でもq=rn−1でもq=a⋅rn−1の形でも構わない。
とにかくqが指数にnを含む形だったら、rn+1で両辺を割ろう。
an+1=pan+c⋅rn
an+1rn+1=panrn+1+cr
rn+1で割ることで、rnの項の n がなくなって定数 cr になるんだ。
panrn+1 を pr⋅anrn に変形して bn=anrn 、定数になる pr と cr を p′、q′ とおくと
an+1rn+1=panrn+1+cran+1rn+1=pr⋅anrn+crbn+1=p′bn+q′
p=r なら p′=1 になるから等差数列の形に、 p≠r なら p′≠1 になるから特性方程式を利用するの形なるよね。
bn を求めて an を導こう。
もう一つの解き方
an+1=pan+rn のような q が指数の式の場合は rn+1 で割る以外にももうひとつ解き方がある。
それは両辺を pn+1 で割る方法だ。
すると an+1pn+1=anpn+1p⋅(rp)n ってなって bn=anpn とすると階差数列の漸化式へと変形できるんだ。
an+1pn+1=anpn+1p⋅(rp)nbn+1=bn+1p⋅(rp)n
cn=1p⋅(rp)n とおくと bn=b1+n−1∑k=1ck (n≧2)になるから、 bn を求めて an を導こう。
a1=3,an+1=6an+3n+2 によって定められる数列 {an} の一般項を求めよ。
両辺を3n+1で割ると
an+13n+1=63⋅an3n+3
bn=an3n とすると、
bn+1=2bn+3
変形して bn+1+3=2(bn+3)
よって {bn+3} は初項 b1+3=a13+3=4 、公比 2 の等比数列
bn+3=4⋅2n−1
bn=2n+1−3
an3n=2n+1−3
∴an=2n+1⋅3n−3⋅3n=2⋅6n−3n+1
両辺を6n+1で割ると
an+16n+1=an6n+3(12)n+1
bn=an6n とすると、
bn+1=bn+3(12)n+1=bn+34(12)n−1
n≧2 のとき
bn=b1+n−1∑k=134(12)k−1=12+32⋅1−(12)n−11−12=12+32{1−(12)n−1}=2−3(12)n
これは n=1 のときもみたす。
an6n=2−3(12)n
∴an=2⋅6n−3n+1

Point 隣接二項間漸化式 an+1=pan+q
① p=定数( ≠1) q=rnの式 の場合は、 rn+1 で両辺を割る。
② rn+1 で割らない場合は、 pn+1 で両辺を割る
次の式で定められる数列 {an} について以下の問いに答えよ。
(1) bn=an3n とするとき、 bn と bn+1 の関係式を求め、 {an} の一般項を求めよ。
(2) k を自然数とし、数列 {an} の第 k 項から第 k+3 項までの和を S(k) とする。すなわち S(k)=ak+ak+1+ak+2+ak+3 とする。 S(2)−S(3) と S(8)−S(9) の正負を調べよ。
(3) S(k) が最大になる自然数 k を求めよ。
(1) a1=−84
両辺を 3n+1 で割ると
an+13n+1=an3n−6n+28
bn=an3n とすると
bn+1=bn−6n+28
b1=a13=−28
n≧2 のとき bn=b1+n−1∑k=1(−6k+28)=−28−3n(n−1)+28(n−1)=−3n2+31n−56
これは n=1 のときも満たす
bn=an3n=−3n2+31n−56
∴an=3n(−3n2+31n−56)
(2) S(k)−S(k+1)=ak−ak+4
=4⋅3k(60k2−134k−419)
S(2)−S(3)=4⋅32(60⋅22−134⋅2−419)
∴ S(2)−S(3)<0
S(8)−S(9)=4⋅38(60⋅82−134⋅8−419)
∴ S(8)−S(9)>0
(3)(2) より S(k)−S(k+1)=4⋅3k(60k2−134k−419)
f(k)=60k2−134k−419 とすると
このグラフの軸は k=6730
f(3)=−281<0 f(4)=5>0 より
k=1、2、3 のとき f(k)<0
∴S(k)<S(k+1)
k≧4 のとき f(k)>0
∴S(k)>S(k+1)
これより
よって S(k) が最大になる自然数 k は
k=4

でも(2)って多分みんなできるよね?計算が大変なだけで、難しくないからね。
入試ではこんな風に前問でヒントを与えるような問題を出すことが多いから、小問で簡単な問題が出題されている場合、次の問題に利用するんじゃないかって思うことも重要だから、そういう風に考える癖をつけておこう。