図形と方程式

円と直線の共有点

重要度 難易度

こんにちは、リンス(@Lins016)です。
今回は円と直線の共有点について学習していこう。

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円と直線の位置関係

円と直線の位置関係によって\(\small{ \ 2 \ }\)点で交わる、接する、交わらないの三つの場合がある。

位置が決定している問題だとただ解けばいけど、位置が決定していない定数を含む問題の場合は、定数の値によって場合分けが必要になるよね。

この場合分けは、判別式を利用するパターン点と直線の距離を利用するパターンに分かれるから、どちらでも解けるように今回きちんと学習しておこう。

円と直線の交点

・交点の求め方
\(\small{\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}x^2+y^2+lx+my+n=0\\
ax+by+c=0
\end{array}
\right.
\end{eqnarray} \ }\)
の連立方程式を解く

・交点の個数の判別
①判別式の利用
②円の中心と直線の距離の関係を利用

交点の個数の判別は、図形と方程式という単元名の通り、点と直線の距離は図形的判別式は方程式的というように一つの問題を二つの解き方で解くことができる。

だからややこしく感じるんだろうけど、やってることは同じことだからどっちの解き方で解いても大丈夫。

ただ問題によって計算量に違いがあるから、どちらの解き方でも解けるようにして、問題によって解き方を変えて欲しいっていうのが本音だよね。

円と直線の共有点の求め方

円と直線の共有点は、直線の方程式を円の方程式に代入して\(\small{ \ x、y \ }\)のどちらかの文字を消去して、残った文字の二次方程式を解こう。

出た解を直線の方程式に代入することで共有点の座標が求まる。

例題を確認
問題解答

円\(\small{ \ (x-2)^2+(y-3)^2=4 \ }\)と直線\(\small{ \ x-y+3=0 \ }\)の共有点の座標を求めなさい。

円と直線の方程式を連立すると
\(\small{\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
(x-2)^2+(y-3)^2=4\cdots①\\
x-y+3=0\cdots②
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}}\)
\(\small{ ②}\)を\(\small{ \ y=x+3 \ }\)に変形して
\(\small{ ① }\)に代入すると、
\(\small{ \ (x-2)^2+(x+3-3)^2=4 \ }\)
\(\small{ \ 2x^2-4x=0 \ }\)
\(\small{ \ 2x(x-2)=0}\)
\(\small{\therefore x=0、2}\)
\(\small{ ②}\)に代入して、交点の座標は
\(\small{(x、y)=(0、3)、(2、5)}\)

円と直線の交点-01

円と直線の共有点の判別

円と直線が交わるかを調べる方法は二通りある。

1つ目は判別式を利用する方法で、円と直線の交点を求める方法を利用して、連立した二次方程式が解を持てば共有点の座標になるし、解なしなら共有点なし、重解なら接することになる。

2つ目は点と直線の距離を利用する方法で、円の中心と直線の距離が半径と等しいとき円と直線は接するし、円の中心と直線の距離が半径より長いとき交点を持たない。円の中心と直線の距離が半径より短いときは2点で交わることが言える。

例題を確認
問題解答1解答2

円\(\small{ \ x^2+y^2=4 \ }\)と直線\(\small{ \ x+y+k=0 \ }\)との共有点の個数を調べよ。
また共有点が\(\small{ \ 1 \ }\)個のとき(つまり円と直線が接するとき)の座標も求めよ。

判別式で解答
直線の方程式を円の方程式に代入すると
\(\small{x^2+(-x-k)^2=4}\)
これを整理して
\(\small{2x^2+2kx+k^2-4=0\cdots①}\)
この判別式は
\(\small{\displaystyle \frac{D}{4}=(k)^2-2\cdot(k^2-4)=-k^2+8}\)
(i)共有点が\(\small{ \ 2 \ }\)個のとき
\(\small{-k^2+8\gt 0}\)
\(\small{-2\sqrt{2} \lt k \lt2\sqrt{2} }\)
(ii)共有点が\(\small{ \ 1 \ }\)個のとき
\(\small{-k^2+8=0}\)
\(\small{k=\pm2\sqrt{2}}\)
\(\small{ ① }\)に代入すると
\(\small{k=2\sqrt{2} \ }\)のとき\(\small{( \ x+\sqrt{2})^2=0 \ }\)より
\(\small{(x、y)=(-\sqrt{2}、-\sqrt{2})}\)
\(\small{k=-2\sqrt{2} \ }\)のとき\(\small{( \ x-\sqrt{2})^2=0 \ }\)より
\(\small{(x,y)=(\sqrt{2},\sqrt{2})}\)
(iii)共有点が\(\small{ \ 0 \ }\)個のとき
\(\small{-k^2+8\lt 0}\)
\(\small{k\lt-2\sqrt{2} , k\gt2\sqrt{2} }\)

点と直線の距離で解答

円の中心と直線の距離を\(\small{ \ d \ }\)とすると
\(\small{d=\displaystyle \frac{|0+0+k|}{\sqrt{1^2+1^2}}=\displaystyle \frac{|k|}{\sqrt{2}}}\)
(i)共有点が\(\small{ \ 2 \ }\)個のとき
\(\small{d \lt}\)円の半径
\(\small{\displaystyle \frac{|k|}{\sqrt{2}}\lt 2}\)
\(\small{|k| \lt 2\sqrt{2}}\)
\(\small{-2\sqrt{2} \lt k \lt2\sqrt{2} }\)

円と直線の交点-02

(ii)共有点が\(\small{ \ 1 \ }\)個のとき
\(\small{d=}\)円の半径
\(\small{\displaystyle \frac{|k|}{\sqrt{2}}=2}\)
\(\small{|k|=2\sqrt{2}}\)
\(\small{k=\pm2\sqrt{2}}\)
円\(\small{ \ x^2+y^2=4 \ }\)と直線\(\small{ \ x+y+2\sqrt{2}=0 \ }\)を連立して
\(\small{(x+\sqrt{2})^2=0}\)より
\(\small{(x、y)=(-\sqrt{2}、-\sqrt{2})}\)
円\(\small{ \ x^2+y^2=4 \ }\)と直線\(\small{ \ x+y-2\sqrt{2}=0 \ }\)を連立して
\(\small{(x-\sqrt{2})^2=0 \ }\)より
\(\small{(x、y)=(\sqrt{2}、\sqrt{2})}\)

円と直線の交点-03

(iii)共有点が\(\small{ \ 0 \ }\)個のとき
\(\small{d \gt}\)円の半径
\(\small{\displaystyle \frac{|k|}{\sqrt{2}}\gt 2}\)
\(\small{|k| \gt 2\sqrt{2}}\)
\(\small{k\lt-2\sqrt{2} , k\gt2\sqrt{2} }\)

円と直線の交点-04

point
どちらの方法を利用しても問題ないけど、判別式は計算が複雑になる場合があるから注意しよう。

ただ接点の座標まで求める必要があるなら判別式を利用する方がメリットがある。

点と直線の距離を利用すると接点の座標を求めるために、再度接線と円の連立方程式を作らないといけないから、そこに計算の手間がかかるよね。判別式ならすでにその方程式を作ってるから簡単に解くことができるんだ。

例えば、\(\small{k \ }\)が1個だけ(\(\small{ \ y=x+k \ }\)など)のときは判別式の方がやりやすいし、\(\small{ \ k \ }\)が2個以上の複雑な式(\(\small{ \ y=kx-3k+1 \ }\)など)のときは点と直線の距離の方がやりやすいから問題によってうまく使い分けよう。

Point 円と直線の共有点

①共有点の座標は円と直線の方程式を連立する
②定数を含む問題は2点で交わる・接する・交わらないの場合分けが必要になる

次は入試レベルの問題にチャレンジ!
入試レベルにチャレンジ
問題解答

円\(\small{ \ C \ }\):\(\small{ \ x^2+y^2=2 \ }\)と直線\(\small{ \ l \ }\):\(\small{ \ x+y=k \ }\)が異なる\(\small{ \ 2 \ }\)点\(\small{ \ \mathrm{P} \ }\)、\(\small{ \ \mathrm{Q} \ }\)で交わっている。
次の問いに答えよ。
(1)\(\small{ \ k \ }\)の値の範囲を求めよ。
(2)\(\small{ \ \mathrm{P}}\)、\(\small{\mathrm{Q} \ }\)の\(\small{ \ x \ }\)座標をそれぞれ\(\small{ \ \alpha \ }\)、\(\small{\beta \ }\)とするとき、\(\small{ \ \alpha+\beta \ }\)および\(\small{ \ \alpha \beta \ }\)を\(\small{ \ k \ }\)を用いて表せ。
(3)線分\(\small{ \ \mathrm{PQ} \ }\)の長さを\(\small{ \ k \ }\)を用いて表せ。
(4)円\(\small{ \ C \ }\)上の点\(\small{ \ \mathrm{A}(-1, \ -1) \ }\)について\(\small{ \ 2\mathrm{PQ}=\mathrm{AP} \ }\)となるときの\(\small{ \ k \ }\)の値を求めよ。

(1)円と直線の方程式を連立して
\(\small{\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
x^2+y^2=2\cdots①\\
x+y=k\cdots②
\end{array}
\right.
\end{eqnarray} \ }\)
\(\small{ ② }\)を変形して\(\small{ ① }\)に代入
\(\small{ \ x^2+(-x+k)^2=2 \ }\)
\(\small{ \ 2x^2-2kx+k^2-2=0\cdots③ \ }\)
円\(\small{ \ C \ }\)と直線\(\small{ \ l \ }\)が異なる\(\small{ \ 2 \ }\)点で交わるとき\(\small{③}\)の判別式を\(\small{ \ D \ }\)とすると
\(\small{ \ \displaystyle \frac{D}{4}=k^2-2(k^2-2) \gt 0 \ }\)
\(\small{ \ (k+2)(k-2) \lt 0 \ }\)
\(\small{ \ \therefore -2 \lt k \lt 2 \ }\)

(2)\(\small{ \ \alpha \ }\)、\(\small{\beta \ }\)は\(\small{③}\)の解だから、解と係数の関係より
\(\small{ \ \alpha+\beta=k \ }\)
\(\small{ \ \alpha \beta=\displaystyle \frac{k^2-2}{2} \ }\)

(3)直線\(\small{ \ l \ }\)の傾きは\(\small{ \ -1 \ }\)より\(\small{ \ \mathrm{PQ} \ }\)の長さは
\(\small{ \ (\beta-\alpha) \ }\)×\(\small{ \ \sqrt{2} \ }\)
\(\small{\begin{eqnarray} \ \beta-\alpha&=&\sqrt{(\alpha+\beta)^2-4\alpha \beta}\\
&=&\sqrt{k^2-4\cdot\displaystyle \frac{k^2-2}{2}}\\
&=&\sqrt{4-k^2} \ \end{eqnarray}}\)
よって\(\small{ \ \mathrm{PQ}=\sqrt{8-2k^2} \ }\)

(4)\(\small{ \ \mathrm{P} \ }\)、\(\small{\mathrm{Q} \ }\)は\(\small{ \ y=x \ }\)に関して対称の位置にあるので\(\small{ \ \mathrm{AP=AQ} \ }\)
よって\(\small{ \ \mathrm{PQ} \ }\)の中点を\(\small{ \ \mathrm{M} \ }\)とすると
\(\small{ \ \mathrm{AM}=\displaystyle \frac{|-1-1-k|}{\sqrt{2}}\\=\displaystyle \frac{|k+2|}{\sqrt{2}} \ }\)
\(\small{ \ 2\mathrm{PQ}=\mathrm{AP} \ }\)より
\(\small{ \ 4\mathrm{PQ}^2=\mathrm{AP}^2 \ }\)
\(\small{ \ 4\mathrm{PQ}^2=\mathrm{AM}^2+\mathrm{PM}^2 \ }\)
\(\small{ \ 4\mathrm{PQ}^2=\mathrm{AM}^2+\left(\displaystyle \frac{1}{2}\mathrm{PQ}\right)^2 \ }\)
\(\small{ \ 15\mathrm{PQ}^2=4\mathrm{AM}^2 \ }\)
\(\small{ \ 15(8-2k^2)=2(k+2)^2 \ }\)
\(\small{ \ 4k^2+k-14=0 \ }\)
\(\small{ \ (k+2)(4k-7)=0 \ }\)
\(\small{ \ -2 \lt k \lt 2 \ }\)より
\(\small{ \ \therefore k=\displaystyle \frac{7}{4} \ }\)

point
2点間の距離は三平方の定理を利用して求めてもいいけど、傾きが\(\small{ \ m \ }\)の直線は\(\small{ \ x \ }\)軸方向に\(\small{ \ 1 \ }\)進むと\(\small{ \ y \ }\)軸方向に\(\small{ \ m \ }\)上がるので、その距離は\(\small{ \ \sqrt{m^2+1} \ }\)になる。

だから傾きがわかっている直線上の2点間の距離の場合は\(\small{ \ x \ }\)座標の差を\(\small{ \ \sqrt{m^2+1} \ }\)倍すればいい。また\(\small{ \ x \ }\)座標の差は解と係数の関係で求めてもいいし、解の公式から求めてもいい。
円と直線の交点-05

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リンス

名前:リンス
職業:塾講師/家庭教師
性別:男
趣味:料理・問題研究
好物:ビール・BBQ