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差を利用する数列の和の求め方

重要度 難易度

こんにちは、リンス(@Lins016)です。
今回は差を利用する数列の和の求め方について学習していこう。

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差を利用する数列の和

差を利用する数列で1番よく出てくるのは部分分数分解を利用した数列の和になる。まずはそれからチェックしてほしい。

CHECK
分数の数列の和-i
分数の数列の和

部分分数分解を利用した数列の和について詳しく解説しています。

続きを見る

今回はもう少し難易度が上がった数列の和を学習するけど、部分分数分解を利用する問題と同じで、一般項を差を利用する形に変形することが大切なんだ。

差を利用する形\(\small{ \ f(n+1)-f(n) \ }\)にうまく変形して、前後の項で消し合って和を求めよう。

差を利用する数列の和

\(\small{ \ \displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n } \left\{f(k+1)-f(k)\right\} \ }\)

\(\small{ \ =\left\{f(2)-f(1)\right\} +\left\{f(3)-f(2)\right\} +\cdots+\left\{f(n+1)-f(n)\right\} \ }\)

\(\small{ \ =f(n+1)-f(1) \ }\)

根号で表された数列の和

まずは一般項が根号を含む\(\small{ \ \displaystyle \frac{1}{\sqrt{a_{n+1}}+\sqrt{a_n}} \ }\)の形について学習していこう。
このタイプは根号を有理化して差の形を作り出そう。

\(\small{ \ \displaystyle \frac{1}{\sqrt{a_{n+1}}+\sqrt{a_n}} \ }\)は\(\small{ \ \displaystyle \frac{\sqrt{a_{n+1}}-\sqrt{a_n}}{\sqrt{a_{n+1}}-\sqrt{a_n}} \ }\)をかけて\(\small{ \ \displaystyle \frac{1}{\sqrt{a_{n+1}}+\sqrt{a_n}}=\displaystyle \frac{\sqrt{a_{n+1}}-\sqrt{a_n}}{a_{n+1}-a_n} \ }\)になる。

\(\small{ \ a_n \ }\)が公差\(\small{ \ d \ }\)の等差数列なら\(\small{ \ \displaystyle \frac{1}{\sqrt{a_{n+1}}+\sqrt{a_n}}=\displaystyle \frac{1}{d}\left(\sqrt{a_{n+1}}-\sqrt{a_n}\right) \ }\)になるから、\(\small{ \ f(n+1)-f(n) \ }\)の形が作れたよね。
それじゃこの方法を利用した問題を確認してみよう。

例題を確認
問題解答

次の和を求めなさい。

\(\small{ \ \displaystyle \frac{1}{\sqrt{2}+\sqrt{5}}+\displaystyle \frac{1}{\sqrt{5}+\sqrt{8}}+\cdots+\displaystyle \frac{1}{\sqrt{3n-1}+\sqrt{3n+2}} \ }\)

求める値と\(\small{ \ \mathrm{S}_n \ }\)とすると
\(\small{ \ \mathrm{S}_n=\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n } \displaystyle \frac{1}{\sqrt{3n-1}+\sqrt{3n+2}}}\)
\(\small{=\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n } \displaystyle \frac{\sqrt{3n+2}-\sqrt{3n-1}}{3}}\)

\(\small{=\displaystyle \frac{1}{3}\left\{\left(\sqrt{5}-\sqrt{2}\right)+\left(\sqrt{8}-\sqrt{5}\right)+\cdots+\left(\sqrt{3n-1}-\sqrt{3n-4}\right)+\left(\sqrt{3n+2}-\sqrt{3n-1}\right)\right\}}\)

\(\small{=\displaystyle \frac{1}{3}\left(\sqrt{3n+2}-\sqrt{2}\right) \ }\)

階乗を含む数列の和

次は一般項が階乗の式を含む\(\small{ \ \displaystyle \frac{n}{(n+1)!} \ }\)の形について学習していこう。
このタイプは階乗の式をうまく分解して差の形を作り出そう。

階乗の式は\(\small{ \ (n+1)!=(n+1)\cdot n! \ }\)に変形できることに注意すると
\(\small{ \ \displaystyle \frac{n}{(n+1)!}=\displaystyle \frac{n+1-1}{(n+1)!}=\displaystyle \frac{1}{n!}-\displaystyle \frac{1}{(n+1)!} \ }\)と変形できるから、これも\(\small{ \ f(n+1)-f(n) \ }\)の形に変形できるよね。

それじゃこの方法を利用した問題を確認してみよう。

例題を確認
問題解答

次の和を求めなさい。
\(\small{ \ \displaystyle \frac{1}{2!}+\displaystyle \frac{2}{3!}+\displaystyle \frac{3}{4!}+\cdots+\displaystyle \frac{n}{(n+1)!} \ }\)

\(\small{ \ \displaystyle \frac{1}{2!}+\displaystyle \frac{2}{3!}+\displaystyle \frac{3}{4!}+\cdots+\displaystyle \frac{n}{(n+1)!} \ }\)
\(\small{ \ =\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n } \displaystyle \frac{k}{(k+1)!} \ }\)
\(\small{ \ =\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n } \left\{\displaystyle \frac{1}{k!}-\displaystyle \frac{1}{(k+1)!}\right\} \ }\)

\(\small{ \ =\left(\displaystyle \frac{1}{1}-\displaystyle \frac{1}{2!}\right)+\left(\displaystyle \frac{1}{2!}-\displaystyle \frac{1}{3!}\right)+\cdots+\left(\displaystyle \frac{1}{n!}-\displaystyle \frac{1}{(n+1)!}\right) \ }\)

\(\small{ \ =1-\displaystyle \frac{1}{(n+1)!} \ }\)

point
この二つの形は部分分数分解を利用する和の形と合わせて、差を利用する数列の和として覚えておこう。特に理系の人は数列の極限でもこの形は出題されるから、きちんとマスターしておこう。

Point 差を利用する数列の和の求め方

①\(\small{ \ f(n+1)-f(n) \ }\)を作り出す形を覚えておこう

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リンス

名前:リンス
職業:塾講師/家庭教師
性別:男
趣味:料理・問題研究
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