こんにちは、リンス(@Lins016)です。
今回は等差中項と等比中項について学習していこう。
等差中項と等比中項の使い方
等差中項や等比中項を利用する場合は、「三つの数または四つの数が等差数列や等比数列をなす」といったような問題に利用しよう。
たった三つの数を求めるのに一般項を求めようとするのは、ものすごく手間がかかるからやめておこう。
とにかく求めたい数と同じ数だけ式を立てて連立方程式を解くということを考えよう。
3つの数\(\small{ \ a、x、b \ }\)が
・等差数列なら\(\small{ \ x=\displaystyle \frac{a+b}{2} \ }\)
この\(\small{ \ x \ }\)のことを等差中項という。
・等比数列なら\(\small{ \ x=\pm \sqrt{ab} (ab \gt0)\ }\)
この\(\small{ \ x \ }\)のことを等比中項という。
等差数列なら各項の差が等しいから\(\small{ \ x-a=b-x \ }\)が言えるし、等比数列なら各項の比が等しいから\(\small{ \ \displaystyle \frac{x}{a}=\displaystyle \frac{b}{x} \ }\)が言えるよね。
等差中項
\(\small{ \ a, \ x, \ b \ }\)がこの順で等差数列だとする。
等差数列は各項の差が等しいから\(\small{ \ x-a=b-x \ }\)が言えるから、これを変形して\(\small{ \ x=\displaystyle \frac{a+b}{2} \ }\)ってなるよね。
この真ん中の項の\(\small{ \ x \ }\)のことを等差中項っていうんだ。
真ん中の項だけを求める問題はほとんどないから、\(\small{ \ x=\displaystyle \frac{a+b}{2} \ }\)より\(\small{ \ 2x=a+b \ }\)の式の方が使いやすいかな。
等比中項
\(\small{ \ a, \ x, \ b \ }\)がこの順で等比数列だとする。
等比数列は各項の比が等しいから\(\small{ \ \displaystyle \frac{x}{a}=\displaystyle \frac{b}{x} \ }\)が言えるから、これを変形して\(\small{ \ x=\pm\sqrt{ab} \ }\)ってなるよね。
この真ん中の項の\(\small{ \ x \ }\)のことを等比中項っていうんだ。
これを使う場合も真ん中の項だけを求める問題はほとんどないから、\(\small{ \ x=\pm\sqrt{ab} \ }\)より\(\small{ \ x^2=ab \ }\)の式の方が使いやすいかな。
等差中項と等比中項を利用した解き方
2数で解くか、3数+1式で解くか?
例えば三つの数が等差数列のとき、\(\small{ \ a-d、a、a+d \ }\)や\(\small{ \ a、a+d、a+2d \ }\)というように二つの文字でおくこともできる。
ってことは未知数が二つだからあと式が二つあれば、三つの数を求めることができるんだけど、この式では等差中項の式は利用できない。
すでに等差中項を考慮した文字のおき方になってるんだ。
\(\small{ \ a、b、c \ }\)と三つの文字をおいても\(\small{ \ b=\displaystyle \frac{a+c}{2} \ }\)を利用すれば、未知数は三つだけど等差中項を利用した式がすでに一つあるから、あと二つ式があれば三つの数を求めることができる。
だから、二つの未知数でも三つの未知数でもどちらにしても条件は「二つの式を作る」ってことで同じだよね。
また、等比数列なら\(\small{ \ \displaystyle \frac{a}{r}、a、ar \ }\)や\(\small{ \ a、ar、ar^2 \ }\)っておけるよね。
こっちも等差中項の場合と同じで、二つの文字で表した場合、すでに等比中項を考慮した文字のおき方になっているんだ。
「二つの未知数」で解くか、「三つの未知数と等差(等比)中項の式」で解くか問題によってうまく使い分けていくことが重要だから注意しよう。
項数\(\small{ \ 4 \ }\)の数列があり、初めの\(\small{ \ 3 \ }\)つの項はその順に等差数列をなし、その和は\(\small{ \ 54 \ }\)である。また後の\(\small{ \ 3 \ }\)つの項はその順に等比数列をなし、その和は\(\small{ \ 38 \ }\)である。この数列を求めよ。
4つの数を\(\small{ \ a、b、c、d \ }\)とすると
\(\small{ \ a+b+c=54\cdots① \ }\)
\(\small{ \ b+c+d=38\cdots② \ }\)
初めの3項は等差数列より\(\small{ \ 2b=a+c\cdots③ \ }\)
後の3項は等比数列より\(\small{ \ c^2=b\cdot d \cdots④\ }\)
\(\small{ \ ①③ \ }\)より\(\small{ \ b=18 \ }\)
これを\(\small{ \ ②④ \ }\)に代入すると
\(\small{ \ \begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
c+d=20 \\
c^2=18d
\end{array}
\right.
\end{eqnarray} \ }\)
\(\small{ \ c^2=18(20-c) \ }\)
\(\small{ \ c^2+18c-360=0 \ }\)
\(\small{ \ (c-12)(c+18)=0 \ }\)
\(\small{ \ \therefore c=12、-30 \ }\)
\(\small{ \ c=12 \ }\)のとき \(\small{ \ 24、18、12、8 \ }\)
\(\small{ \ c=-30 \ }\)のとき \(\small{ \ 66、18、-30、50 \ }\)
Point 等差中項と等比中項
①三つの数が等差数列や等比数列をなすときは等差・等比中項を利用
②問題によって「二つの未知数」で解くか、「三つの未知数と等差(等比)中項の式」で解くか考えよう
\(\small{ \ x \ }\)の\(\small{ \ 3 \ }\)次方程式\(\small{ \ x^3-7x^2+ax+b=0 \ }\)は\(\small{ \ 3 \ }\)つの異なる実数解\(\small{ \ p、q、1 \ }\)をもち、これらの解を並べかえると等差数列になるという。このとき\(\small{ \ a、b \ }\)の値を求めよ。
\(\small{ \ f(x)=x^3-7x^2+ax+b \ }\)とすると
\(\small{ \ x=1 \ }\)を解にもつので\(\small{ \ f(1)=0 \therefore a+b-6=0 \ }\)
これを\(\small{ \ f(x) \ }\)に代入すると
\(\small{\begin{eqnarray} \ f(x)&=&x^3-7x^2+ax-a+6\\
&=&(x-1)(x^2-6x+a-6) \ \end{eqnarray}}\)
よって\(\small{ \ x^2-6x+a-6=0 \ }\)の解が\(\small{ \ p、q \ }\)となる。
解と係数の関係より\(\small{ \ p+q=6\cdots① \ }\)、\(\small{ \ pq=a-6\cdots② \ }\)
次に\(\small{ \ p、q、1 \ }\)を並び替えると等差数列になるので
(ⅰ)真ん中の項が\(\small{ \ q \ }\)のとき
\(\small{ \ p+1=2q\cdots③ \ }\)
\(\small{ \ ①③ \ }\)より\(\small{ \ p=\displaystyle \frac{11}{3}、q=\displaystyle \frac{7}{3} \ }\)
よって\(\small{ \ ② \ }\)より
\(\small{ \ a=\displaystyle \frac{131}{9} \ b=-\displaystyle \frac{77}{9} \ }\)
(ⅱ)真ん中の項が\(\small{ \ 1 \ }\)のとき
\(\small{ \ p+q=2 \ }\)となり\(\small{ \ ① \ }\)と矛盾するので不適
(ⅲ)真ん中の項が\(\small{ \ p \ }\)のとき
\(\small{ \ 1+q=2p\cdots④ \ }\)
\(\small{ \ ①④ \ }\)より\(\small{ \ p=\displaystyle \frac{7}{3}、q=\displaystyle \frac{11}{3} \ }\)
よって\(\small{ \ ② \ }\)より
\(\small{ \ a=\displaystyle \frac{131}{9} \ b=-\displaystyle \frac{77}{9} \ }\)
(ⅰ)〜(ⅲ)より
\(\small{ \ a=\displaystyle \frac{131}{9} \ b=-\displaystyle \frac{77}{9} \ }\)