等比数列とローンの返済

重要度 難易度

こんにちは、リンス(@Lins016)です。
今回は等比数列を利用したローン(借金)の返済について学習していこう。

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複利計算と等比数列の和

今回勉強するのは複利計算を利用したローンの返済で、これはローンの残高を等比数列の和の形で表すことができるんだ。

複利とは元金に利子を合計して利率をかける方法で、この返済方法を理解すると繰上げ返済して利息負担が減るのかも分かるよ。

今はただの等比数列の和の計算方法かもしれないけど、将来的にマイホームを購入したりする際にこの計算方法を利用するかもしれないから仕組みを覚えておこう。

A円借りたローンの返済

年利\(\small{ \ i \ }\)の銀行に\(\small{ \ \mathrm{A} \ }\)円借りたローンの残金

期間 元金 利息 返済 残金
\(\small{ \ 1 \ }\)年後 \(\small{ \ \mathrm{A} \ }\)円 \(\small{ \ \mathrm{A}i \ }\)円 \(\small{ \ a \ }\)円 \(\small{ \ \mathrm{A}(1+i)-a \ }\)円
\(\small{ \ 2 \ }\)年後 \(\small{ \ \mathrm{A}(1+i)-a \ }\)円 \(\small{ \ \{\mathrm{A}(1+i)-a\}i \ }\)円 \(\small{ \ a \ }\)円 \(\small{ \ \mathrm{A}(1+i)^2-a(1+i)-a \ }\)円
\(\small{ \ 3 \ }\)年後 \(\small{ \ \mathrm{A}(1+i)^2-a(1+i)-a \ \ }\)円 \(\small{ \ \{\mathrm{A}(1+i)^2-a(1+i)-a\}i \ }\)円 \(\small{ \ a \ }\)円 \(\small{ \ \mathrm{A}(1+i)^3-a(1+i)^2-a(1+i)-a \ }\)円
\(\small{ \ \vdots \ }\) \(\small{ \ \vdots \ }\) \(\small{ \ \vdots \ }\) \(\small{ \ \vdots \ }\)

残金の部分を見ると等比数列の和の形になっていくのがわかるかな?
\(\small{ \ n \ }\)年後の残金は

\(\small{ \ \mathrm{A}(1+i)^{n}-a(1+i)^{n-1}-a(1+i)^{n-2}-\cdots-a(1+i)^2-a(1+i)-a \ }\)

円になる。

複利を利用したローンの返済

複利計算でのローンの返済について考えてみよう。

例えば年始に\(\small{ \ 100000 \ }\)円借りて年利\(\small{ \ 3 \ }\)%の利息がつく場合、\(\small{ \ 1 \ }\)年たったときには\(\small{ \ 100000+(100000×0.03) \ }\)で元金\(\small{ \ 100000 \ }\)円と利息\(\small{ \ 3000 \ }\)円を足した\(\small{ \ 103000 \ }\)円のローン残高になる。

毎年年末に\(\small{ \ 10000 \ }\)円だけ返済すると\(\small{ \ 1 \ }\)回目の返済したときの残高は\(\small{ \ 93000 \ }\)円になるよね。

さらに\(\small{ \ 1 \ }\)年たつと\(\small{ \ 2 \ }\)年目は\(\small{ \ 93000+(93000×0.03) \ }\)で元金\(\small{ \ 93000 \ }\)円と利息\(\small{ \ 2790 \ }\)円を足した\(\small{ \ 95290 \ }\)円が残金になるんだ。

元金+元金×利率=次の年の元金になるから元金が減った分だけ利子が減っているのがわかるよね。

これが年利\(\small{ \ 3 \ }\)%の複利の計算法だ。

ただこれは高校数学で等比数列を利用した計算問題としての複利計算になるんだけどね。

実際の住宅ローンなどの返済

せっかくだから実際の住宅ローンとかの計算はどうなってるか教えておくね。

実際の住宅ローンの場合も年利で借りるけど、毎月返済していくから少し計算方法は違うんだ。

例えば\(\small{ \ 3000 \ }\)万円を年利\(\small{ \ 3 \ }\)%で借りて毎月\(\small{ \ 10 \ }\)万円返済していく場合を考えてみよう。

最初の\(\small{ \ 1 \ }\)ヶ月でローン残高は\(\small{ \ 3000+3000×0.03÷12=3007.5 \ }\)(万円)になるから、\(\small{ \ 10 \ }\)万円返済すると残金は\(\small{ \ 2997.5 \ }\)万円になる。

この場合の\(\small{ \ 0.03÷12 \ }\)は\(\small{ \ 1 \ }\)年での利率\(\small{ \ 3 \ }\)%を\(\small{ \ 1 \ }\)ヶ月あたりに換算するため\(\small{ \ 12 \ }\)で割ってあるんだ。

この利息の\(\small{ \ 1 \ }\)ヶ月の換算方法は\(\small{ \ 3 \ }\)%を\(\small{ \ 365 \ }\)で割って\(\small{ \ 30 \ }\)や\(\small{ \ 31 \ }\)をかける銀行もあるけどね。

でも\(\small{ \ 10 \ }\)万円も返済したのに実際は利息\(\small{ \ 7.5 \ }\)万で元金は\(\small{ \ 2.5 \ }\)万しか減っていないのがわかるよね。

\(\small{ \ 2 \ }\)ヶ月目は\(\small{ \ 2997.5+2997.5×0.03÷12=3004.9937 \ }\)(万円)になるから\(\small{ \ 10 \ }\)万円返済すると残金は\(\small{ \ 29949937 \ }\)円になる。

前の月の残金を比較すると\(\small{ \ 29975000-29949937=25063 \ }\)になるから、先月より元金が\(\small{ \ 63 \ }\)円多く減ってるのがわかるよね。

これを繰り返していくことで、利息が少なくなってきてより多くの元金を返済することができるんだ。

だから多くの人がなるべくたくさん元金を減らすように繰上げ返済っていって予定額より多く返済して元金をできるだけ減らして利子を少なくすることを選ぶんだ。

貯金と借金

高校数学では貯金の和を等比数列の和で表す問題と、借金の返済を等比数列の和で表す問題がある。

どちらも重要だからしっかり押さえておこう。

▼あわせてCHECK▼(別ウィンドウで開きます)

ちなみにほとんどの問題で利率は適当な数字が与えられているけど、実際はどれくらいかっていうこと、あくまで目安だけど、「定期預金の利率は\(\small{ \ 0.12 \ }\)%」に対して「住宅ローンの利息は\(\small{ \ 2.4 \ }\)%」ぐらいかな。

\(\small{ \ 20 \ }\)倍も違うね。

金融機関は\(\small{ \ 100 \ }\)億円をみんなから預金してもらうと\(\small{ \ 1 \ }\)年で\(\small{ \ 1200 \ }\)万円の利息をみんなに支払って、その預金してもらった\(\small{ \ 100 \ }\)億円を企業や個人に貸すと\(\small{ \ 1 \ }\)年で\(\small{ \ 2 \ }\)億\(\small{ \ 4000 \ }\)万円の利息を得る計算だからね。

もちろんお金を貸した企業が倒産して貸したお金が返ってこないなんてこともあるんだけどね。

金融機関は、みんなから預かっている預金を企業や個人に貸して利息を得て運営しているんだ。
もちろんそれだけじゃなく為替業務や投資信託でも儲けているんだけどね。

例題を確認
問題解答

ある年のはじめに\(\small{ \ \mathrm{A} \ }\)円借り、その年の末から毎年末に一定額ずつ返済していく。\(\small{ \ n \ }\)年間で返済完了するためには毎年いくらずつ返済すれば良いか。ただし年利は\(\small{ \ i \ }\)とし、\(\small{ \ 1 \ }\)年ごとの複利とする。

毎年\(\small{ \ a \ }\)円返済するとすると、残金は

\(\small{ \ 1 \ }\)年末 \(\small{ \ \mathrm{A}(1+i)-a \ }\)
\(\small{ \ 2 \ }\)年末 \(\small{ \ \mathrm{A}(1+i)^2-a(1+i)-a \ }\)
\(\small{ \ 3 \ }\)年末 \(\small{ \ \mathrm{A}(1+i)^3-a(1+i)^2-a(1+i)-a \ }\)
\(\small{ \ n \ }\)年末 \(\small{ \ \mathrm{A}(1+i)^{n}-a(1+i)^{n-1}-a(1+i)^{n-2}-\cdots-a(1+i)^2-a(1+i)-a \ }\)
\(\small{\begin{eqnarray}\mathrm{A}(1+i)^{n}-a(1+i)^{n-1}-a(1+i)^{n-2}-\cdots-a(1+i)^2-a(1+i)-a=0 \end{eqnarray}\ }\)
\(\small{\begin{eqnarray}\mathrm{A}(1+i)^{n}&=&a(1+i)^{n-1}+a(1+i)^{n-2}+\cdots-a(1+i)^2+a(1+i)+a \\
&=&\displaystyle \frac{a\{(1+i)^n-1\}}{(1+i)-1}\end{eqnarray}\ }\)

\(\small{ \ \therefore a=\displaystyle \frac{\mathrm{A}i(1+i)^n}{(1+i)^n-1} \ }\)

point
ローン返済の問題の場合、\(\small{ \ n \ }\)年末時点の返済が終了する問題がほとんどだから、最後に返済した\(\small{ \ a \ }\)円で残金が0円になっているから、初項に注意して、等比数列の和を利用しよう。

Point 等比数列とローンの返済

①複利による返済は等比数列の和を利用
②返済終了時の残金の初項に注意しよう

それじゃあ次は入試レベルの問題にチャレンジしてみよう。
入試レベルにチャレンジ
問題解答

ある年のはじめに\(\small{ \ 1000 \ }\)万円を年利率\(\small{ \ 3 \ }\)%借り、その年の末から毎年末に一定額ずつ返済していく。\(\small{ \ 10 \ }\)年間で返済完了するためには毎年いくらずつ返済すれば良いか。ただし年利は\(\small{ \ 1 \ }\)年ごとの複利で、\(\small{ \ 1.03^{10}=1.344 \ }\)とし、\(\small{ \ 100 \ }\)円未満は切り上げよ。

毎年の返済額を\(\small{ \ a \ }\)万円とすると

\(\small{ \ 1 \ }\)年末 \(\small{ \ 1000(1+0.03)-a \ }\)
\(\small{ \ 2 \ }\)年末 \(\small{ \ 1000(1+0.03)^2-a(1+0.03)-a \ }\)
\(\small{ \ 3 \ }\)年末 \(\small{ \ 1000(1+0.03)^3-a(1+0.03)^2-a(1+0.03)-a \ }\)
\(\small{ \ 10 \ }\)年末 \(\small{ \ 1000(1+0.03)^{10}-a(1+0.03)^9-\cdots--a(1+0.03)-a \ }\)
\(\small{ \ \begin{eqnarray}1000(1+0.03)^{10}&=&a(1+0.03)^9+\cdots+a(1+0.03)+a \\
&=&\displaystyle \frac{a\{(1+0.03)^{10}-1\}}{(1+0.03)-1}\end{eqnarray}\ }\)

\(\small{ \begin{eqnarray}\ a&=&\displaystyle \frac{1000\cdot0.03(1.03)^{10}}{(1.03)^{10}-1} \\
&=&117.2093\fallingdotseq117.21 \end{eqnarray}}\)
よって\(\small{ \ 1172100 \ }\)円ずつ返済すれば良い。

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