こんにちは、リンス(@Lins016)です。
今回は共役複素数と共役複素数の応用について学習していこう。
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共役複素数といろいろな形の共役
今回は共役複素数といろいろな形の複素数の共役を勉強していくんだけど、試験に出る範囲っていうより知識としてきちんと押さえといて欲しいところになる。
だからすでに知ってるって人はさらっと読めばいいし、初めて聞いたって人は、自分で数値を代入したりして勉強して欲しい。
z=a+bi z=a+bi ( a, b a, b は実数)
¯z=a−bi ¯¯¯z=a−bi
z¯z=(a+bi)(a−bi)=a2+b2 z¯¯¯z=(a+bi)(a−bi)=a2+b2
¯z=z ¯¯¯z=z のとき z z は実数
¯z=−z ¯¯¯z=−z のとき z z は純虚数
z=α+β z=α+β のとき
¯z=¯α+¯β ¯¯¯z=¯¯¯¯α+¯¯¯β
z=α−β z=α−β のとき
¯z=¯α−¯β ¯¯¯z=¯¯¯¯α−¯¯¯β
z=αβ z=αβ のとき
¯z=¯α¯β ¯¯¯z=¯¯¯¯α¯¯¯β
z=αβ z=αβ のとき
¯z=¯(αβ)=¯α¯β ¯¯¯z=¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯(αβ)=¯¯¯¯α¯¯¯β
共役複素数とは
複素数の虚部の符号が異なる複素数を共役であるっていうんだ。
つまり z=a+bi の共役な複素数は a−bi になる。
これを共役複素数っていって、 ¯z って書くからね。
実数と純虚数の共役複素数
実数は虚部が 0 だから共役複素数も同じ値になるよね。
だから ¯z=z なら z は実数になる。
これに対して純虚数は共役がマイナスをつけた値になるよね。
だから ¯z=−z なら z は純虚数になるからね。
どっちも大切な式だからきちんと押さえておこう。
共役複素数と解の公式
ax2+bx+c=0 の二次方程式を解くと
x=−b±√b2−4ac2a になるよね。
b2−4ac<0 だと、この二次方程式の解は虚数解になる。
b2−4ac=−D(D>0) とするとその解は
x=−b±√Di2a になるから、この二つの解は共役になる。
つまり二次方程式が二つの虚数解をもつとき、この方程式の二つの解は常に共役になるんだ。
x=1+i が二次方程式 x2+ax+b=0 の解であるとき、実数 a, b の値を求めよ。
また、他の解は x=1−i であることを証明せよ。
1+i を方程式に代入すると
(1+i)2+a(1+i)+b=0
a+b+(2+a)i=0
a+b,2+a ともに実数より
{a+b=02+a=0
これを解いて a=−2, b=2
二次方程式は
x2−2x+2=0 になるから
x=2±√4−4⋅22=1±i
よって他の解は 1−i である。
和と差と積と商の共役
和と差と積と商の共役複素数は数学Ⅲの「複素数平面」でよく利用する計算だけど、数学Ⅱで出題されても問題ないからきちんと押さえておこう。
α=a+bi, β=c+di ( a, b, c, d は実数)とする。
・和の共役
z=α+β のとき
α+β=(a+bi)+(c+di)=(a+c)+(b+d)i
¯α+¯β=(a−bi)+(c−di)=(a+c)−(b+d)i
つまり ¯z=¯α+¯β が成り立つ。
・差の共役
z=α−β のとき
α+β=(a+bi)−(c+di)=(a−c)+(b−d)i
¯α−¯β=(a−bi)−(c−di)=(a−c)−(b−d)i
つまり ¯z=¯α−¯β が成り立つ。
・積の共役
z=αβ のとき
αβ=(a+bi)(c+di)=(ac−bd)+(ad+bc)i
¯α¯β=(a−bi)(c−di)=(ac−bd)−(ad+bc)i
つまり ¯z=¯α¯β が成り立つ。
・商の共役
z=αβ のとき
αβ=a+bic+di=(a+bi)(c−di)(c+di)(c−di)=ac+bdc2+d2+bc−adc2+d2i
¯α¯β=a−bic−di=(a−bi)(c+di)(c−di)(c+di)=ac+bdc2+d2−bc−adc2+d2i
つまり ¯z=¯α¯β が成り立つ。
Point 共役複素数と共役複素数の応用
①共役複素数の計算をマスターしよう
②実数係数の方程式が z を解に持つなら ¯z も解にもつことを覚えておこう
実数係数の n 次方程式
anxn+an−1xn−1+⋯+a1x+a0=0
が虚数解 z を解にもつならば、この n 次方程式は ¯z も解に持つことを示せ。
両辺の共役複素数をとると
¯anxn+¯an−1xn−1+⋯+¯a1x+¯a0=0
ここで ak(k=0, 1, 2,⋯, n) は実数より
an(¯x)n+an−1(¯x)n−1+⋯+a1(¯x)+a0=0
これは ¯z が
の解であることを示している。
よって
が虚数解 z をもつならば、この n 次方程式は ¯z も解に持つ。

またこの問題から、
「実数係数の n 次方程式が z を解に持つなら、 ¯z も解である」ってことがいえる。
実数係数じゃないと成り立たないから注意してね。