こんにちは、リンス(@Lins016)です。
今回は傍心の位置ベクトルについて学習していこう。
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傍心とは
傍心とは三角形の五心の一つで、三角形の一つの内角の二等分線とその他の頂点の外角の二等分線の交点のことで、一つの三角形に対して三つの傍心がある。
また傍心を中心として、三角形の一つの辺とその他の二つの辺を延長した直線に接する円を描くことができる。
この円のことを傍接円というから覚えておこう。
はじめに
∠A ∠A 内にある傍心を Ia Ia とするとき、 →AIa −−→AIa を →AB −−→AB と →AC −−→AC で表してみよう。
ただ、計算しやすいように |→AB|=c ∣∣∣−−→AB∣∣∣=c 、 |→AC|=b ∣∣∣−−→AC∣∣∣=b 、 |→BC|=a ∣∣∣−−→BC∣∣∣=a として進めていく。
傍心は内角の二等分線と外角の二等分線の交点だよね。
この事を利用して位置ベクトルを求めていこう。
内角の二等分線の性質の利用
∠A ∠A の二等分線と辺 BC BC の交点を D D とすると、 AB:AC=BD:DC AB:AC=BD:DC になる。
だから →AD=b→AB+c→ACb+c −−→AD=b−−→AB+c−−→ACb+c になる。

外角の二等分線の性質の利用
∠B ∠B の外角の二等分線の性質から AB:BD=AIa:DIa AB:BD=AIa:DIa になる。
内角の二等分線の性質より BD=cb+ca BD=cb+ca だから AB:BD=c:cc+ba=b+c:a AB:BD=c:cc+ba=b+c:a
つまり Ia Ia は AD AD を b+c:a b+c:a に外分する点だから
→AIa=b+cb+c−a→AD −−→AIa=b+cb+c−a−−→AD
∴→AIa=b→AB+c→ACb+c−a

傍接円の半径の求め方
傍心 Ia から直線 AB に下ろした垂線を IaH とすると、 →IaH⋅→AB=0 になる。
H は →AB 上の点だから →AH=k→AB っておけるから k を求めて →IaH を求めよう。
ただ、この k を求めるためには →IaH⋅→AB=0 から求めないといけないから |→AB| と |→AC| と →AB⋅→AC の値が必要になる。

問題文から二つの基準のベクトルの大きさと内積を求めて傍接円の半径のベクトルを求めよう。
このベクトルが求まったら、二乗してこのベクトルの大きさを求めるんだ。
AB=5 、 AC=4 、 BC=3 の △ABC の ∠BAC 内にある傍心を I とする。
→AI を →AB と →AC を用いて表せ。
また I を中心とする傍接円の半径をベクトルを用いて求めよ。
∠BAC の二等分線と辺 BC の交点を D とすると、 AB:AC=BD:DC より
→AD=4→AB+5→AC9
また BD=55+4×3=53
I は AD を AB:BD に外分する点
AB:BD=5:53=3:1
→AI=32→AD=23→AB+56→AC
傍接円と直線 AB との共有点を H とすると
→AH=k→AB とおける
→IH と →AB は垂直だから
→IH⋅→AB=0
(→AH−→AI)⋅→AB=0
{(k−23)→AB−56→AC}⋅→AB=0
(k−23)|→AB|2−56→AB⋅→AC=0
ここで
|→AB|=5 、 |→AC|=4 、 |→BC|=3 より
|→BC|=|→AC−→AB|=3
|→AB|2−2→AB⋅→AC+|→AC|2=9
∴→AB⋅→AC=16

よって
(k−23)|→AB|2−56→AB⋅→AC=0
25(k−23)−56×16=0
∴k=65
→IH=815→AB−56→AC
∴|→IH|=2

S=ra(s−a)=rb(s−b)=rc(s−c) が成り立つことも覚えておこう。
Point 傍心の位置ベクトル
①外角・内角の二等分線の性質を使って、外分・内分から位置ベクトルを求めよう
②傍接円の半径は円が直線に接することを利用して求めよう