図形と計量

三角形の形状の求め方

重要度 難易度

こんにちは、リンス(@Lins016)です。
今回は三角形の形状の求め方について学習していこう。

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三角形の形状の求め方

「次の条件を満たす三角形は、どんな形の三角形か」って聞かれたら正三角形とか直角二等辺三角形とかいろいろな形状のあると思うけど、大きく分けると直角三角形二等辺三角形しかないよね。
だって正三角形も二等辺三角形の一種だし、直角二等辺三角形もこれを満たすよね。

三角形の形状の求め方

与えられた条件式の三角比を辺で表す
\(\small{\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
\sin\mathrm{A}=\displaystyle\frac{a}{2R}\\[8pt] \cos\mathrm{A}=\displaystyle\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray} \ }\)

三角形の形状は辺の長さを利用して調べる

例えば直角三角形っていったら、\(\small{ \ a^2+b^2=c^2 \ }\)が成り立つって言えるし、\(\small{ \ \sin\mathrm{C}=1 \ }\)が成り立つともいえるよね。

結局この式みたいに三角形の形状は辺の長さを利用して答えるのか、三角比を利用して答えるのかってことになる。

だけど、実際出題される問題は、下の例題みたいに辺と三角比の両方が使われていることがほとんどなんだ。

このとき、三角比を辺で表して三角形の形状を求めるのは簡単だけど、辺を三角比で表して形状を求めるのは難しい

\(\small{ \ \sin\mathrm{C}=1 \ }\)みたいな式なら簡単に導けそうだけど、\(\small{ \ \sin(\mathrm{A}-\mathrm{B})=0 \ }\)で二等辺三角形を表すってなると、\(\small{ \ \sin(\mathrm{A}-\mathrm{B}) \ }\)を導くことになるから、難しいよね。

数学IIの加法定理を使えば導けなくはないけど、問題がかなり限定されるから、いつでも解けるようにするなら辺で考えるようにしよう。

CHECK
加法定理-i
加法定理の証明

加法定理の証明方法は色々ありますが、単位円を利用した一般的な証明を学習します。

続きを見る

三角形の形状を表す条件式を辺の長さにして因数分解する

辺の長さは\(\small{ \ a, \ b, \ c \ }\)の\(\small{ \ 3 \ }\)つの文字があるから、この文字で表された式を因数分解して三角形の形状を求めよう。

\(\small{ \ (a-b) \ }\)や\(\small{ \ (a^2+b^2-c^2) \ }\)が因数に出てくると二等辺三角形や直角三角形って言えるから、それを頭に入れて因数分解しよう。

因数分解のポイント次数の低い文字に注目して因数分解することだよね。
文字が\(\small{ \ 3 \ }\)つあるから複雑な式になった場合は、どの文字に注目して降べきの順に並べて因数分解するかってことがポイントになるからね。

例題を確認
問題解答

次の等式が成り立つとき、\(\small{ \ \triangle\mathrm{ABC} \ }\)はどんな形の三角形か
(1)\(\small{ \ \sin\mathrm{B}\cos\mathrm{C}=\sin\mathrm{C}\cos\mathrm{B} \ }\)
(2)\(\small{ \ a\cos\mathrm{A}+b\cos\mathrm{B}=c\cos\mathrm{C} \ }\)

(1)外接円の半径を\(\small{ \ R \ }\)とし、正弦定理と余弦定理を用いると与式は
\(\small{ \ \displaystyle\frac{b}{2R}\cdot\displaystyle\frac{a^2+b^2-c^2}{2ab}=\displaystyle\frac{c}{2R}\cdot\displaystyle\frac{a^2-c^2-b^2}{2ac} \ }\)となる
よって\(\small{ \ b^2-c^2=c^2-b^2 \ }\)
\(\small{ \ 2(b+c)(b-c)=0 \ }\)
\(\small{ \ \therefore b=c \ }\)
つまり\(\small{ \ \triangle\mathrm{ABC} \ }\)は\(\small{ \ b=c \ }\)の二等辺三角形

(2)正弦定理と余弦定理を用いると与式は

\(\small{ \ a\cdot\displaystyle\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc}+b\cdot\displaystyle\frac{a^2+c^2-b^2}{2ac}=c\cdot\displaystyle\frac{a^2+b^2-c^2}{2ab} \ }\)

両辺に\(\small{ \ 2abc \ }\)をかけると

\(\small{ \ a^2(b^2+c^2-a^2)+b^2(a^2+c^2-b^2)=c^2(a^2+b^2-c^2) \ }\)

\(\small{ \ 2a^2b^2-a^4-b^4+c^4=0 \ }\)
\(\small{ \ c^4-(a^2-b^2)^2=0 \ }\)
\(\small{ \ (c^2-a^2+b^2)(c^2+a^2-b^2)=0 \ }\)
\(\small{ \ c^2-a^2+b^2=0, \ c^2+a^2-b^2=0 \ }\)
\(\small{ \ \therefore a^2=b^2+c^2, \ b^2=a^2+c^2 \ }\)
つまり\(\small{ \ \triangle\mathrm{ABC} \ }\)は\(\small{ \ \angle\mathrm{A}=90^{\circ} \ }\)の直角三角形、または\(\small{ \ \angle\mathrm{B}=90^{\circ} \ }\)の直角三角形

point
(1)は\(\small{ \ \sin\mathrm{B}\cos\mathrm{C}-\sin\mathrm{C}\cos\mathrm{B}=0 \ }\)から加法定理を使うと、\(\small{ \ \sin(\mathrm{B}-\mathrm{C})=0 \ }\)が導けて\(\small{ \ \angle \mathrm{B}=\angle\mathrm{C} \ }\)を導くことが出来るよね。でもこの考え方で(2)を解こうと思ったらかなり大変だから、やっぱり辺を利用して考えるのが簡単だからね。

Point 三角形の形状の求め方

①三角形の形状は辺の長さから求める
②次数の低い文字に注目して因数分解

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リンス

名前:リンス
職業:塾講師/家庭教師
性別:男
趣味:料理・問題研究
好物:ビール・BBQ