こんにちは、リンス(@Lins016)です。
今回は球面の方程式とベクトル方程式について学習していこう。
球面の方程式
球面は球の中心から一定の距離の点の集まりだよね。これって円と同じだよね。平面図形なら円、空間図形なら球ってことになるからね。
だから一度円の方程式について復習しておこう。
円の方程式は数学Ⅱの図形と方程式と数学Bの平面ベクトルで学習したよね。
球面の方程式
①\(\small{ \ (x-a)^2+(y-b)^2+(z-c)^2=r^2 \ }\)
②\(\small{ \ x^2+y^2+z^2+kx+ly+mz+n=0 \ }\)
球面のベクトル方程式
\(\small{ \ \vert\overrightarrow{p}-\overrightarrow{c}\vert=r \ }\)
\(\small{ \ \left(\overrightarrow{p}-\overrightarrow{a}\right)\cdot\left(\overrightarrow{p}-\overrightarrow{b}\right)=0 \ }\)
球面の方程式(標準形)
球面の方程式は、球の中心の座標とその半径が分かったら求めることが出来るよね。
球の中心の座標を\(\small{ \ (a, \ b, \ c) \ }\)、半径を\(\small{ \ r \ }\)、球面上の点を\(\small{ \ (x, \ y, \ z) \ }\)とすると球面上の点と中心の距離が半径に等しいから、\(\small{ \ \sqrt{(x-a)^2+(y-b)^2+(z-c)^2}=r \ }\)が成り立つよね。
これを二乗した
\(\small{ \ (x-a)^2+(y-b)^2+(z-c)^2=r^2 \ }\)が球面の方程式ってことになるからね。
円の方程式と同じで、右辺は\(\small{ \ r^2 \ }\)になるから右辺が\(\small{ \ 0 \ }\)以下だと球にならないから注意しよう。
球面の方程式(一般形)
次に\(\small{ \ (x-a)^2+(y-b)^2+(z-c)^2=r^2 \ }\)を展開してみよう。
\(\small{ \ x^2+y^2+z^2-2ax-2by-2cz-r^2+a^2+b^2+c^2=0 \ }\)
ここで
\(\small{ \ -2a=k, \ -2b=l, \ -2c=m, \ -r^2+a^2+b^2+c^2=n \ }\)とすると、球面の方程式は\(\small{ \ x^2+y^2+z^2+kx+ly+mz+n=0 \ }\)になるよね。
これが球面の方程式の一般形ね。
円の方程式も
\(\small{ \ \begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
(x-a)^2+(y-b)^2=r^2 \\
x^2+y^2+lx+my+n=0
\end{array}
\right.
\end{eqnarray} \ }\)
の\(\small{ \ 2 \ }\)つの形になってたよね。
ちなみに\(\small{ \ 2 \ }\)次関数も
\(\small{ \ \begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
y=a(x-p)^2+q \\
y=ax^2+bx+c
\end{array}
\right.
\end{eqnarray} \ }\)
の\(\small{ \ 2 \ }\)つの形。
大事なこと話すからきちんと覚えておいてね。
球も円も中心や半径が分かっていたほうが何かと便利だから、標準形のほうがいいよね。もちろん\(\small{ \ 2 \ }\)次関数も頂点が分かっているほうがいいから標準形がいいよね。
じゃあなぜ展開した一般形があるのかっていうと、これは円の方程式や球面の方程式、\(\small{ \ 2 \ }\)次関数の式を求めるときに、標準形より一般形でおいたほうが問題をスムーズに解けるからなんだ。
\(\small{ \ 2 \ }\)次関数の決定や円の方程式の決定で学習したけど、軸や頂点、中心や半径がまったく関係なく、ただ与えられた\(\small{ \ 3 \ }\)点を通る\(\small{ \ 2 \ }\)次関数や円の方程式を求めるとき一般形を使うんだったよね。
この場合、標準形で求めようとすると計算がホント複雑になるからね。
だから同じ考え方で、球面の方程式を求めるとき\(\small{ \ x^2+y^2+z^2+kx+ly+mz+n=0 \ }\)を使うのは球面上の\(\small{ \ 4 \ }\)点が与えられたときってことになるからね。なぜ\(\small{ \ 4 \ }\)点かっていうと\(\small{ \ k, \ l, \ m, \ n \ }\)の分からない文字\(\small{ \ 4 \ }\)つを求めるためには式が\(\small{ \ 4 \ }\)つ必要だよね。
球面上の\(\small{ \ 1 \ }\)点が与えられると、それを球面の方程式に代入して\(\small{ \ 1 \ }\)つ式ができる。
つまり\(\small{ \ k, \ l, \ m, \ n \ }\)の\(\small{ \ 4 \ }\)つの未知数を求めるためには\(\small{ \ 4 \ }\)つの点が必要になるんだ。
もちろん中心や半径が与えられていれば\(\small{ \ 4 \ }\)つも点は必要にならないけどね。
次の球面の方程式を求めよ。
(1)中心が\(\small{ \ \mathrm{C}(2, \ 3 , 4) \ }\)で、点\(\small{ \ \mathrm{A}(6, \ -1, \ 6) \ }\)を通る球面
(2)\(\small{ \ 2 \ }\)点\(\small{ \ \mathrm{A}(-1, \ 2, \ 3) \ }\)、\(\small{ \ \mathrm{B}(3, \ 6, \ -1) \ }\)を直径の両端とする球面
(3)\(\small{ \ 4 \ }\)点\(\small{ \ (1, \ 0, \ 0) \ }\)、\(\small{ \ (0, \ 1, \ -2) \ }\)、\(\small{ \ (5, \ 2, \ 0) \ }\)、\(\small{ \ (3, \ 1, \ 1) \ }\)を通る球面
(1)中心が\(\small{ \ \mathrm{C}(2, \ 3 , 4) \ }\)より
\(\small{ \ (x-2)^2+(y-3)^2+(z-4)^2=r^2 \ }\)
半径は\(\small{ \ r=\mathrm{AC}=\sqrt{4^2+(-4)^2+2^2}=6 \ }\)
よって求める球面の方程式は
\(\small{ \ (x-2)^2+(y-3)^2+(z-4)^2=36 \ }\)
(2)\(\small{ \ \mathrm{A}(-1, \ 2, \ 3) \ }\)、\(\small{ \ \mathrm{B}(3, \ 6, \ -1) \ }\)の中点の座標は\(\small{ \ (1, \ 4, \ 1) \ }\)
この中点が円の中心の座標になる
また半径は\(\small{ \ \displaystyle\frac{AB}{2}=\displaystyle\frac{\sqrt{4^2+4^2+(-4)^2}}{2}=2\sqrt{3} \ }\)
よって求める球面の方程式は
\(\small{ \ (x-1)^2+(y-4)^2+(z-1)^2=12 \ }\)
(3)球面の方程式を\(\small{ \ x^2+y^2+z^2+kx+ly+mz+n=0\cdots① \ }\)とする
\(\small{ \ 4 \ }\)点\(\small{ \ (1, \ 0, \ 0) \ }\)、\(\small{ \ (0, \ 1, \ -2) \ }\)、\(\small{ \ (5, \ 2, \ 0) \ }\)、\(\small{ \ (3, \ 1, \ 1) \ }\)を\(\small{ \ ① \ }\)に代入して
\(\small{ \ \begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
1+k+n=0 \\
l-2m+n+5=0\\
5k+2m+n+29=0\\
3k+l+m+n+11=0
\end{array}
\right.
\end{eqnarray} \ }\)
これを解いて
\(\small{ \ (k, \ l, \ m, \ n)=(-6, \ -2, \ 4, \ 5) \ }\)
よって求める球面の方程式は
\(\small{ \ x^2+y^2+z^2-6x-2y+4z+5=0 \ }\)
球面のベクトル方程式
次は球面のベクトル方程式について考えてみよう。
ベクトル方程式って言ってもそんなに難しく考える必要はなくて、球面上の\(\small{ \ (x, \ y, \ z) \ }\)の点を\(\small{ \ \overrightarrow{p} \ }\)で表せばいいだけだからね。
つまり中心\(\small{ \ \mathrm{C}(\overrightarrow{c}) \ }\)、半径\(\small{ \ r \ }\)とすると球面のベクトル方式は\(\small{ \ \vert\overrightarrow{p}-\overrightarrow{c}\vert=r \ }\)になるよね。
\(\small{ \ \overrightarrow{c}=(a, \ b, \ c) \ }\)とすると
になるしね。
それと球の直径に当たる\(\small{ \ 2 \ }\)点が与えられているとき、ベクトル方程式だと内積を利用して、球面の方程式を求めることもできるんだ。
\(\small{ \ \mathrm{A}(\overrightarrow{a}) \ }\)、\(\small{ \ \mathrm{B}(\overrightarrow{b}) \ }\)を直径とすると、球面上の点\(\small{ \ \mathrm{P}(\overrightarrow{p}) \ }\)は\(\small{ \ \mathrm{AP}\perp \mathrm{BP} \ }\)になるよね。
だから\(\small{ \ \overrightarrow{\mathrm{AP}}\cdot\mathrm{\overrightarrow{BP}}=0 \ }\)が言えるんだ。
これから\(\small{ \ \left(\overrightarrow{p}-\overrightarrow{a}\right)\cdot\left(\overrightarrow{p}-\overrightarrow{b}\right)=0 \ }\)ってなるよね。
次の球面の方程式をベクトルを用いて求めよ。
(1)中心が\(\small{ \ \mathrm{C}(2, \ 3 , 4) \ }\)で、点\(\small{ \ \mathrm{A}(6, \ -1, \ 6) \ }\)を通る球面
(2)\(\small{ \ 2 \ }\)点\(\small{ \ \mathrm{A}(-1, \ 2, \ 3) \ }\)、\(\small{ \ \mathrm{B}(3, \ 6, \ -1) \ }\)を直径の両端とする球面
(1)\(\small{ \ \vert\overrightarrow{p}-\overrightarrow{c}\vert=\vert\overrightarrow{a}-\overrightarrow{c}\vert \ }\)
(2)\(\small{ \ \mathrm{A}(-1, \ 2, \ 3) \ }\)、\(\small{ \ \mathrm{B}(3, \ 6, \ -1) \ }\)を直径より
\(\small{ \ \overrightarrow{\mathrm{AP}}\cdot\mathrm{\overrightarrow{BP}}=0 \ }\)
\(\small{ \ \left(\overrightarrow{p}-\overrightarrow{a}\right)\cdot\left(\overrightarrow{p}-\overrightarrow{b}\right)=0 \ }\)
(x+1, \ y-2, \ z-3)\cdot(x-3, \ y-6, \ z+1)=0\\
(x+1)(x-3)+(y-2)(y-6)+(z-3)(z+1)=0\\
x^2+y^2+z^2-2x-8y-2z+6=0 \ }\)
Point 球面の方程式とベクトル方程式
①球面の方程式は一般形と標準形を使い分ける
②ベクトル方程式は平面ベクトルの時と同じ考え方を利用する