微分法

対数微分法

こんにちは、リンス(@Lins016)です。
今回は対数微分法について学習していこう。

対数微分法とは

対数微分法ってその名前の通り対数を利用して微分する方法のこと。

なぜ対数を利用するのかって言うと「対数を利用しないと解けない問題があるから」。

学校の定期試験だと「対数微分法を利用して答えよ。」って書いてあるけど書いてなくても大丈夫なように、どんな問題で対数微分法を利用するのか確実に押さえておこう。

対数微分法

\(\small{ \ y=f(x) \ }\)
①両辺を底\(\small{ \ e \ }\)の対数をとる
\(\small{ \ \log y=\log f(x) \ }\)
②両辺を\(\small{ \ x \ }\)で微分する
\(\small{ \ \displaystyle\frac{y'}{y}=\left(\log f(x)\right)' \ }\)
③両辺を\(\small{ \ y \ }\)倍する
\(\small{ \ y'=y\left(\log f(x)\right)' \ }\)

対数微分法を使う問題

まずはどんな問題で対数微分法を使うのか覚えておこう。

対数微分法を確実に使う必要があるのは\(\small{ \ y=x^x \ }\)や\(\small{ \ y=(\cos x)^{x} \ }\)といった\(\small{ \ x \ }\)の式を\(\small{ \ x \ }\)の式乗してる問題なんだ。
\(\small{ \ y=x^n \ }\)(\(\small{ \ x \ }\)の定数乗)や\(\small{ \ y=e^x \ }\)(定数の\(\small{ \ x \ }\)乗)の微分は公式としてあるけど、\(\small{ \ x \ }\)の式を\(\small{ \ x \ }\)の式乗する形の問題って出てこなかったよね。

だから\(\small{ \ y=f(x)^{g(x)} \ }\)の場合、対数微分法を利用するって覚えておこう。この形は対数微分法を使わないと微分できないからね。

それ以外にも対数微分法が使える問題があって、それは\(\small{ \ y=\displaystyle\frac{(x-2)^3}{(x+1)^2(x-3)} \ }\)や\(\small{ \ y=\sqrt{\displaystyle\frac{(3x-2)^2}{(x-1)^2(x^2+3)}} \ }\)のような分数で分母分子が因数分解されている形の問題なんだ。根号がついてても大丈夫。

でもこのタイプは商の微分を使っても計算できないことはけど、商の微分だと計算量がかなり多くなるから対数微分法を使おう。でも対数微分法を使ってもまだ計算は大変だからミスしないように計算しよう。

対数微分法のやり方

それじゃ対数微分法のやり方について説明していくよ。
例として\(\small{ \ y=x^x(x\gt0) \ }\)について考えてみよう。
まずは両辺対数をとろう。このとき正の値であることを確認してね。対数の真数は正じゃないといけないからね。
\(\small{\begin{eqnarray} \ \log y&=&\log x^x\\
&=&x\log x \ \end{eqnarray}}\)

対数を利用することで指数の部分が前にでるよね。あと対数は底が\(\small{ \ e \ }\)の対数をとるから覚えておこう。
ちなみに底が\(\small{ \ e \ }\)の対数のことを自然対数っていうからね。

この式を\(\small{ \ x \ }\)で微分するんだ。
右辺の\(\small{ \ x\log x \ }\)を\(\small{ \ x \ }\)で微分すると積の微分から\(\small{ \ (x)'\log x+x(\log x)'=\log x+1 \ }\)になる。これは公式を利用するだけだから、大丈夫だよね。
公式が怪しいって人は確実に押さえておこう。じゃないと\(\small{ \ 0 \ }\)点とるよって言ってもおおげさじゃないからね。

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そしてここからが肝心。この対数微分法のポイントは左辺を\(\small{ \ x \ }\)で微分することなんだ。
\(\small{ \ y \ }\)を\(\small{ \ x \ }\)で微分するっていうのは\(\small{ \ \displaystyle\frac{dy}{dx} \ }\)って記号になるんだったよね。これってみんながよく使う\(\small{ \ y' \ }\)のことだよね。

ってことは\(\small{ \ \log y \ }\)を\(\small{ \ x \ }\)で微分すると\(\small{ \ \displaystyle\frac{d}{dx}\log y \ }\)って記号になるんだ。\(\small{ \ \log y \ }\)は\(\small{ \ x \ }\)で直接微分することができないから、この記号のままじゃどうしようもないんだ。

だから少し式変形して\(\small{ \ \displaystyle\frac{d}{dx}\log y= \displaystyle\frac{dy}{dx}\cdot\displaystyle\frac{d}{dy}\log y \ }\)ってするんだ。

\(\small{ \ \displaystyle\frac{d}{dx} \ }\)っていうのは\(\small{ \ x \ }\)で微分するって記号だから分数ではないんだけど、合成関数の微分で扱ったように、分数とみなして計算することが可能で、\(\small{ \ \displaystyle\frac{d}{dx} =\displaystyle\frac{dy}{dx}\cdot\displaystyle\frac{d}{dy} \ }\)ってできるんだ。

だから\(\small{ \ \displaystyle\frac{dy}{dx}\cdot\displaystyle\frac{d}{dy}\log y \ }\)は\(\small{ \ y \ }\)を\(\small{ \ x \ }\)で微分したものと\(\small{ \ \log y\ }\)を\(\small{ \ y \ }\)で微分したものをかけた式ってことになる。

つまり\(\small{ \ y \ }\)を\(\small{ \ x \ }\)で微分したもの\(\small{ \ \left(=\displaystyle\frac{dy}{dx}=y'\right) \ }\)、\(\small{ \ \log y\ }\)を\(\small{ \ y \ }\)で微分したもの\(\small{ \ \left(=\displaystyle\frac{1}{y}\right) \ }\)をかけるから、左辺を\(\small{ \ x \ }\)で微分した式は\(\small{ \ \displaystyle\frac{d}{dx}\log y=\displaystyle\frac{y'}{y} \ }\)になるんだ。

だから\(\small{ \ y=x^x \ }\)の対数をとって
\(\small{ \ \log y=x\log x \ }\)
これを両辺\(\small{ \ x \ }\)で微分すると
\(\small{ \ \displaystyle\frac{y'}{y}=\log x+1 \ }\)
そして両辺\(\small{ \ y \ }\)倍して
\(\small{ \ y'=y(\log x+1) \ }\)
\(\small{ \ y \ }\)は問題文から\(\small{ \ y=x^x \ }\)だからこれを代入して
\(\small{ \ y'=x^x(\log x+1) \ }\)
これが答えになるんだ。

対数微分法では毎回対数をとると左辺は\(\small{ \ \log y \ }\)になるから、これを\(\small{ \ x \ }\)で微分すると\(\small{ \ \displaystyle\frac{y'}{y} \ }\)になるって覚えておこう。

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分数の形の関数と対数微分法

次は分数の形の関数を対数微分法を使って微分してみよう。
\(\small{ \ y=\displaystyle\frac{(x-3)^4}{(3x+1)^2(x^2-2)^3} \ }\)
まずは両辺の対数をとるんだけど、対数は真数条件真数が正じゃないといけないよね。さっさの\(\small{ \ y=x^x \ }\)は\(\small{ \ x\gt0 \ }\)ってなってたから真数は正になったけど、真数が負になることもある場合は絶対値をつけて対数をとるようにしよう。

\(\small{\begin{eqnarray} \ \log \vert y \vert&=&\log\left| \displaystyle\frac{(x-3)^4}{(3x+1)^2(x^2-2)^3}\right|\\
&=&4\log \vert x-3\vert-2\log\vert3x+1\vert-3\log\vert x^2-2\vert \ \end{eqnarray}}\)

両辺を\(\small{ \ x \ }\)で微分すると
\(\small{\begin{eqnarray} \ \displaystyle\frac{y'}{y}&=&\displaystyle\frac{4}{x-3}-\displaystyle\frac{2\cdot3}{3x+1}-\displaystyle\frac{3\cdot2x}{x^2-2}\\[5pt] &=&\displaystyle\frac{2(-6x^3+35x^2+3x-22)}{(x-3)(3x+1)(x^2-2)} \ \end{eqnarray}}\)
両辺\(\small{ \ y \ }\)倍して

\(\small{\begin{eqnarray} \ y'&=&y\cdot\displaystyle\frac{2(-6x^3+35x^2+3x-22)}{(x-3)(3x+1)(x^2-2)}\\
&=&-\displaystyle\frac{2(x-3)^3(6x^3-35x^2-3x+22)}{(3x+1)^3(x^2-2)^4} \ \end{eqnarray}}\)

さっきと同じように\(\small{ \ y=\displaystyle\frac{(x-3)^4}{(3x+1)^2(x^2-2)^3} \ }\)を代入して完成なんだ。
このタイプの問題は計算量が多いから丁寧に計算していこう。

point
ちなみにこのまま微分することもできるよね。

\(\small{\begin{eqnarray} \ y'&=&\displaystyle\frac{\left\{(x-3)^4\right\}'(3x+1)^2(x^2-2)^3-(x-3)^4\left\{(3x+1)^2(x^2-2)^3\right\}'}{\left\{(3x+1)^2(x^2-2)^3\right\}^2}\\
&=&\displaystyle\frac{4(x-3)^3(3x+1)^2(x^2-2)^3-(x-3)^4\left\{6(3x+1)(x^2-2)^3+6x(3x+1)(x^2-2)\right\}}{\left\{(3x+1)^2(x^2-2)^3\right\}^2} \ \end{eqnarray}}\)

でも計算が大変だからやめてたほうがいいかな笑。

例題を確認
問題解答

次の式を微分せよ。
(1)\(\small{ \ y=\sqrt[5]{\displaystyle\frac{(3x-2)^2}{(x-1)^2(x^2+3)}} \ }\)
(2)\(\small{ \ y=\left(\sin x\right)^{\log x} \ }\)

(1)\(\small{ \ y=\sqrt[5]{\displaystyle\frac{(3x-2)^2}{(x-1)^2(x^2+3)}} \ }\)

\(\small{\begin{eqnarray} \ \log y &=&\log\sqrt[5]{\displaystyle\frac{(3x-2)^2}{(x-1)^2(x^2+3)}}\\
&=&\displaystyle\frac{1}{5}\left\{2\log \vert 3x-2\vert-2\log \vert x-1\vert -\log(x^2+3)\right\} \ \end{eqnarray}}\)

両辺を\(\small{ \ x \ }\)で微分して
\(\small{\begin{eqnarray} \ \displaystyle\frac{y'}{y}&=&\displaystyle\frac{1}{5}\left(\displaystyle\frac{6}{3x-2}-\displaystyle\frac{2}{x-1}-\displaystyle\frac{2x}{x^2+3}\right)\\
&=&\displaystyle\frac{-2(3x^3-4x^2+2x+3)}{5(3x-2)(x-1)(x^2+3) } \ \end{eqnarray}}\)
両辺を\(\small{ \ y \ }\)倍して

\(\small{\begin{eqnarray} \ y'&=&\displaystyle\frac{-2(3x^3-4x^2+2x+3)}{5(3x-2)(x-1)(x^2+3) }\cdot\sqrt[5]{\displaystyle\frac{(3x-2)^2}{(x-1)^2(x^2+3)}}\\
&=&-\displaystyle\frac{2(3x^3-4x^2+2x+3)}{\sqrt[5]{(3x-2)^3(x-1)^7(x^2+3)^6}} \ \end{eqnarray}}\)

(2)\(\small{ \ y=\left(\sin x\right)^{\log x} \ }\)
\(\small{\begin{eqnarray} \ \log y&=&\log \left(\sin x\right)^{\log x}\\
&=&\log x\cdot \log x \left(\sin x\right) \ \end{eqnarray}}\)
両辺を\(\small{ \ x \ }\)で微分すると
\(\small{ \ \displaystyle\frac{y'}{y}=\displaystyle\frac{1}{x}\cdot\log x \left(\sin x\right)+\log x\cdot \displaystyle\frac{\cos x}{\sin x} \ }\)

\(\small{ \ y'=\left(\sin x\right)^{\log x}\left\{\displaystyle\frac{\log (\sin x)}{x}+\displaystyle\frac{\cos x\cdot \log x}{\sin x}\right\} \ }\)

point
\(\small{ \ \log y \ }\)を\(\small{ \ x \ }\)で微分したら\(\small{ \ \displaystyle\frac{y'}{y} \ }\)ってことを確実におさえておこう!

Point 微分の計算

①\(\small{ \ y=f(x)^{g(x)} \ }\)の形は対数微分法を利用する
②\(\small{ \ (\log y)'=\displaystyle\frac{y'}{y} \ }\)

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リンス

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