こんにちは、リンス(@Lins016)です。
今回は定積分と不等式について学習していこう。
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定積分と不等式の解き方
定積分が面積を表すとき、面積の大きさを比較して不等式を作ることが可能だよね。
区間 [a, b] で f(x)≧0 なら ∫ba f(x) dx≧0 が言えるし、 f(x)≧g(x) なら ∫baf(x) dx≧∫bag(x) dx が言えるんだ。
特にこの ∫baf(x) dx≧∫bag(x) dx は入試でも使うから確実におさえておこう。
区間 [a, b] で f(x)≧0 なら ∫ba f(x) dx≧0
区間 [a, b] で f(x)>g(x) なら ∫ba f(x) dx>∫bag(x) dx
f(x) が減少関数のとき
f(k+1)<∫k+1kf(x) dx<f(k)
f(x) が増加関数のとき
f(k)<∫k+1kf(x) dx<f(k+1)
面積による比較
定積分の不等式は面積を利用した比較が一番簡単。
例えば、区間 [a, b] で f(x)≧g(x) なら ∫ba f(x) dx≧∫bag(x) dx になる。
これって面積を見たら明らかだよね。
「積分区間が同じとき」ってのも重要だから注意しよう。

定積分の和と不等式
定積分の面積を利用して不等式が作れるっていうのがわかったよね。今度はこれを応用した不等式の問題について考えてみよう。
例えば、減少関数 y=f(x) があるとする。(減少関数っていうのは x が増加すると y が減少する関数のことね。)
自然数 k に対して k≦x≦k+1 のとき、 f(k+1)≦f(x)≦f(k) が成り立つよね。
つまり、区間 [k, k+1] で f(k+1)≦f(x)≦f(k) が成り立つから
が成り立つ。
しかも常に f(k)=f(x)=f(k+1) が成り立つわけじゃないから
になるんだ。
ちなみに ∫k+1kf(k) dx=f(k) (赤枠の長方形)だし、 ∫k+1kf(k+1) dx=f(k+1) (青枠の長方形)だから f(k+1)<∫k+1kf(x) dx<f(k) ってことになる。
∫k+1kf(x) dx はオレンジの斜線部分ね。
これって図から考えても明らかだよね。

この不等式 f(k+1)<∫k+1kf(x) dx<f(k) を
{∫k+1kf(x) dx<f(k)⋯①∫k+1kf(x) dx>f(k+1)⋯②
に分けて考えていこう。
まずは①の ∫k+1kf(x) dx<f(k) の k に k=1, 2, 3⋯, n を代入してみよう。
∫21f(x) dx<f(1)∫32f(x) dx<f(2)∫43f(x) dx<f(3)⋮∫n+1nf(x) dx<f(n)
次にこの式を辺々加えてみよう。
このとき右辺に注目すると
になるから
が言えるんだ。この ③の式って下の図で成り立つのが確認できるよね。
次は②の ∫k+1kf(x) dx>f(k+1) の k に k=0, 1, 2⋯, n−1 を代入してみよう。
∫10f(x) dx>f(1)∫21f(x) dx>f(2)∫32f(x) dx>f(3)⋮∫nn−1f(x) dx>f(n)
次にこの式を辺々加えてみよう。
このとき右辺に注目すると
になるから
が言えるんだ。
この ④の式って下の図で成り立つのが確認できるよね。
つまり ③, ④ から
が言えるんだ。
これが面積を利用した不等式の証明になる。
一つ注意しておきたいのが
f(k+1)≦f(x)≦f(k)⋯① の式から
を導いて
を証明するんだけど、
② の不等式の形を保って ③ を導いたわけじゃないんだ。 ② の式を 2 つに分解するってところがポイントだからね。

∫10f(x) dx<f(1)
∫21f(x) dx>f(2)
って不等号の向きが逆になったりすると辺々足したときどっちが大きくなるかわからないからね。
同じ区間での面積の比較
上の方法は
って長方形の和を基準(不等式の真ん中)にして証明したけど、今度は積分の方を基準に考えてみよう。
さっきと同じ減少関数の場合、下図を考えると


が言えるよね。
下の図なら


が言えるよね。
f(k+1)<∫k+1kf(x) dx<f(k) の式に k=0,1,2⋯,n−1 を代入した式を足したものが
になるし、 k=1,2,3⋯,n を代入したものが
になるんだ。
最初の不等式を分けて考えるより、単に代入するだけで済むこっちの方が簡単だって思ったかもしれないけど、実際の問題は長方形の和が不等式の基準(不等式の真ん中)になってることが多いから、こんな単純に k に値を代入して比較できる問題はあまりないんだ。
でもこの考え方もきちんとマスターしておこう。
さらにこの 2 つの考え方を図にすると次の図になるから覚えておこう。
曲線の面積を長方形の面積で比較
f(k+1)<∫k+1kf(x) dx<f(k)
長方形の面積を曲線の面積で比較
∫k+1kf(x) dx<f(k)<∫kk−1f(x) dx
次の不等式を証明せよ。
自然数 k に対して k≦x≦k+1 のとき、 y=1√x は減少関数より
1√k+1≦1√x≦1√k
∴1√k+1≦∫k+1k1√x dx≦1√k
しかも 1√x=1√k=1√k+1 は常に成り立つわけじゃないから
1√k+1<∫k+1k1√x dx<1√k
{1√k+1<∫k+1k1√x dx⋯①1√k>∫k+1k1√x dx⋯②
①に k=1, 2, ⋯, n−1 を代入した式を辺々加えると
ここで
∫n11√xdx=∫n1x−12dx=[2√x]n1=2(√n−1)
よって
両辺に 1 を加えると
n=1 のとき左辺=右辺が成り立つので
ただし等号成立は n=1 のとき
②に k=1, 2, ⋯, n を代入した式を辺々加えると
ここで
∫n11√xdx=∫n1x−12dx=[2√x]n1=2(√n−1)
よって
③, ④ より
は成り立つ

例えば y=logx も真数条件から x>0 だから積分区間を [0, n] にはできない。
[0, n] で比較したい場合は [1, n] で計算して、両辺に 1 を加えたりして証明したい式と同じ形にしよう。
Point 定積分と不等式
①面積を利用して不等式を作る
②曲線で囲まれた面積と長方形の面積どちらを基準にするか考える
正の整数 n の階乗の桁数を T(n) とする。例えば n=5 のとき、 n!=120 より T(5)=3 とする。
(1) T(n) を [log10n!] を用いた式で表せ。ただし、実数 x に対し、 [x] は x を超えない最大の整数を表す。
(2)任意の正の整数 n に対し、
が成り立つことを示せ。
(3) limn→∞T(n)nlog10n を求めよ。
(1) n! の桁数を p とすると 10p−1≦n!<10p
底 10 の対数をとると、
p−1≦log10n!<p
∴[log10n!]=p−1
T(n)=p より T(n)=[log10n!]+1
(2)
k を正の自然数とすると y=log10x は単調増加より
log10k<∫k+1klog10x dx<log10(k+1)
∫k+1klog10x dx<log10(k+1)
k=1,2,3,⋯,n−1 まで代入した式を辺々加えると
∫n1log10x dx<log10n!
n=1 のとき左辺=右辺が成り立つから
∫n1log10x dx≦log10n!
0≦log10n!−[log10n!]<1 より
log10n!<[log10n!]+1
∴∫n1log10x dx<T(n)
log10k<∫k+1klog10x dx
k=1,2,3,⋯,n まで代入した式を辺々加えると
log10n!<∫n+11log10x dx

両辺に 1 を加えて
log10n!+1<∫n+11log10x dx+1
[log10n!]+1<log10n!+1 より
T(n)<log10n!+1
∴T(n)<∫n+11log10x dx+1
よって
が成り立つ。
(3)
∫n1log10x dxnlog10n<T(n)nlog10n<∫n+11log10x dx+1nlog10n
∫n1log10x dxnlog10n=1nlog10n∫n1log10x dx=log10nlogn∫n1logxlog10 dx=1nlogn[xlogx−x]n1=nlogn−n+1nlogn
∫n+11log10x+1 dxnlog10n=1nlog10n(∫n+11log10x+1) dx=log10nlogn(∫n+11logxlog10+1) dx=1nlogn([xlogx−x]n+11+log10)=(n+1)log(n+1)−n+log10nlogn
よって
limn→∞∫n1log10x dxnlog10n=limn→∞nlogn−n+1nlogn=1
limn→∞∫n+11log10x dx+1nlog10n=limn→∞(n+1)log(n+1)−n+log10nlogn=1
はさみうちの原理より
limn→∞T(n)=1

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