指数・対数関数

指数の計算

重要度 難易度

こんにちは、リンス(@Lins016)です。
今回は指数の計算について学習していこう。

スポンサーリンク

指数の計算

指数の計算って実は中学生ぐらいから使ってきた計算なんだけど、数字じゃなくて文字の計算をするようになるとミスする人が多くなるから、丁寧に計算するようにしよう。

指数の計算

・指数の計算
\(\small{ \ a^r\cdot a^s=a^{r+s} \ }\)
\(\small{ \ (a^r)^s=a^{rs}=(a^s)^r \ }\)
\(\small{ \ (ab)^r=a^rb^r \ }\)
\(\small{ \ a^{-r}=\displaystyle\frac{1}{a^r} \ }\)
\(\small{ \ a^r\cdot a^{-s}=\displaystyle\frac{a^r}{a^s}=a^{r-s} \ }\)
\(\small{ \ a^0=1 \ }\)
\(\small{ \ \sqrt[ n ]{ a^m }=a^{\frac{m}{n}}\ }\)
ただし\(\small{ \ n=2 \ }\)のときは左上の添字\(\small{ \ 2 \ }\)は書かない
\(\small{ \ \sqrt{ a^m }=a^{\frac{m}{2}}\ }\)

指数の計算

\(\small{ \ a^r\cdot a^s=a^{r+s} \ }\)なんて、よく考えたら覚えるまでもないよね。
\(\small{ \ 2^3\times 2^2=2\times2\times2\times2\times2=2^5 \ }\)だもんね。
これはすでに中学のときに文字式で教わっているしね。

でも数字なら簡単にわかるのに、文字になると変なことする人(\(\small{ \ 3+2 \ }\)を\(\small{ \ 3\times2 \ }\)にしたり・・・)って結構いるんだ。
だから数字のときと同じように計算できるようにしておこう。

これを発展させると\(\small{ \ a^r\cdot a^r=a^{2r} \ }\)、\(\small{ \ a^r\cdot a^r\cdot a^r=a^{3r} \ }\)になるから\(\small{ \ \left(a^r\right)^s=a^{rs} \ }\)が言えるよね。

だから\(\small{ \ \left(a^r\right)^s=a^{rs}=\left(a^s\right)^r \ }\)になる。これってこの後に教わる指数関数で\(\small{ \ 2^x \ }\)の\(\small{ \ 2 \ }\)乗が\(\small{ \ \left(2^x\right)^2=4^x=2^{2x} \ }\)で表されたりするから覚えておこう。

次にこの単元で初めて教わるのが\(\small{ \ a^{-r} \ }\)って記号。
これって\(\small{ \ a^{-r}=\displaystyle\frac{1}{a^r} \ }\)のことだから、\(\small{ \ a^r\cdot a^{-s}=\displaystyle\frac{a^r}{a^s}=a^{r-s} \ }\)になるんだ。

\(\small{ \ 2^5\cdot 2^{-2}=\displaystyle\frac{2\times2\times2\times2\times2}{2\times2}=2^{3} \ }\)になるから
数字だと簡単だよね。しっかり覚えておこう。
勘違いして、\(\small{ \ a^r\cdot a^{-s}=a^{\frac{r}{s}} \ }\)ってしたりする人いるからね。絶対したらダメだからね。
落ち着いて計算したら簡単に出来る計算だから、丁寧に計算しよう。

ちなみに\(\small{ \ a^r\cdot a^{-r}=a^0=\displaystyle\frac{a^r}{a^r}=1 \ }\)になるから\(\small{ \ a^0=1 \ }\)になることも併せて覚えておこう。

指数の計算と素因数分解

例えば\(\small{ \ 54 \ }\)は\(\small{ \ 2\cdot3^3 \ }\)って書くことが出来るよね。
\(\small{ \ 54^3 \ }\)は\(\small{ \ \left(2\cdot3^3\right)^3 \ }\)ってなって、\(\small{ \ 54^3=\left(2\cdot3^3\right)^3=2^3\cdot3^9 \ }\)になる。
つまり\(\small{ \ (ab)^r=a^rb^r \ }\)が成り立つんだ。

この素因数分解は\(\small{ \ (a^r)^s=a^{rs} \ }\)と\(\small{ \ (ab)^r=a^rb^r \ }\)を組み合わせてるだけだからそんなに難しいことじゃないよね。
指数の計算をするとき、大きい数はまず素因数分解して考えていこう。そうすることで、計算できる部分が見えてくるからね。

n乗根と指数の計算

\(\small{ \ n \ }\)乗して\(\small{ \ a \ }\)になる数を\(\small{ \ a \ }\)の\(\small{ \ n \ }\)乗根』っていうから覚えておこう。
つまり\(\small{ \ x^n=a \ }\)を満たす解のことになるからね。

ちなみに、\(\small{ \ a \ }\)の\(\small{ \ 2 \ }\)乗根、\(\small{ \ 3 \ }\)乗根、\(\small{ \ 4 \ }\)乗根、・・・・を総称して\(\small{ \ a \ }\)の累乗根っていうから覚えておこう。\(\small{ \ 2 \ }\)乗根のことを平方根っていうんだけど、それは中学で教わったから覚えてるよね。

この\(\small{ \ a \ }\)の\(\small{ \ n \ }\)乗根は記号で書くと\(\small{ \ \sqrt[n]{a} \ }\)になる。ただ、\(\small{ \ n=2 \ }\)のときは\(\small{ \ \sqrt{a} \ }\)って書いて\(\small{ \ \sqrt[2]{a} \ }\)の\(\small{ \ 2 \ }\)は書かないからね。中学の時習った根号と同じだからね。

\(\small{ \ a \ }\)の\(\small{ \ n \ }\)乗根って\(\small{ \ n \ }\)乗して\(\small{ \ a \ }\)になるんだから\(\small{ \ \sqrt[n]{a}=a^{\frac{1}{n}} \ }\)って書けるよね。\(\small{ \ \left(a^{\frac{1}{n}}\right)^n=a \ }\)になるからね。

だから\(\small{ \ a \ }\)の\(\small{ \ n \ }\)乗根を\(\small{ \ 2 \ }\)乗した数は\(\small{ \ a^{\frac{2}{n}} \ }\)、\(\small{ \ \sqrt[n]{a^2} \ }\)ってなるから\(\small{ \ a \ }\)の\(\small{ \ n \ }\)乗根を\(\small{ \ 2 \ }\)乗した数は\(\small{ \ \sqrt[n]{a^m} \ }\)になるんだ。

累乗根を含む指数の計算は\(\small{ \ \sqrt[n]{a} \ }\)を\(\small{ a^{\frac{1}{n}} \ }\)の形に変形して、\(\small{ \ a^r\cdot a^s=a^{r+s} \ }\)の計算の\(\small{ \ r=\displaystyle\frac{1}{n} \ }\)として計算すればいいんだ。

分数を含む計算だからより丁寧に計算するようにしよう。

スポンサーリンク

負の数のn乗根

\(\small{ \ n \ }\)が奇数のときは\(\small{ \ \sqrt[n]{-a} \ }\)は\(\small{ \ -\sqrt[n]{a} \ }\)って根号の中のマイナスを外に出すことができるから覚えておこう。

例えば

\(\small{ \ \sqrt[3]{-8}=\sqrt[3]{(-2)^3}=\left\{(-2)^3\right\}^{\frac{1}{3}}=-2 \ }\)

になるからね。
もう少し詳しく考えると

\(\small{ \ \sqrt[3]{-8}=\sqrt[3]{(-2)^3}=\sqrt[3]{(-1)^3\cdot2^3}=\left\{(-1)^3\cdot2^3\right\}^{\frac{1}{3}}=-1\cdot2 \ }\)

になるよね。
だから、こう考えると\(\small{ \ n \ }\)が偶数だったらマイナスが根号の外に出てこないことがわかるよね。つまり\(\small{ \ n \ }\)が奇数の時しか\(\small{ \ \sqrt[n]{-a} \ }\)は\(\small{ \ -\sqrt[n]{a} \ }\)にならないんだ。

つまりこれって『\(\small{ \ x^n=a \ (a\lt0) \ }\)を満たす実数\(\small{ \ x \ }\)は\(\small{ \ n \ }\)が奇数のときしか存在しない』ってことを表してるからね。

たしかに\(\small{ \ y=x^n \ }\)のグラフを考えると、奇数のときしか存在しないって確認できるからね。

指数の計算-01
指数の計算-02

×÷と指数の計算

次に\(\small{ \ \times\div \ }\)の記号と指数の計算について考えてみよう。
\(\small{ \ \div a^r \ }\)は\(\small{ \ \times a^{-r} \ }\)になるよね。ってことは\(\small{ \ \div a^{-r} \ }\)は\(\small{ \ \times a^r \ }\)になるから注意しよう。
これって当たり前じゃんって思うかもしれないけど、理系の受験生(3年生)で次の問題を解くときによくこのことを忘れているひと見かけるからね。

ミスに注意しよう!
問題

\(\small{ \ ae^{-x}=3x+2 \ }\)の解の個数を求めよ。

この\(\small{ \ e \ }\)っていうのは数学Ⅲで教わるネイピア数って数で\(\small{ \ e=2.7\cdots \ }\)って数なんだけど、まだネイピア数を知らない人も次の解法の流れを見てみてほしい。

・解法×
この問題って両辺を\(\small{ \ e^{-x} \ }\)で割って\(\small{ \ a=\displaystyle\frac{3x+2}{e^{-x}} \ }\)にして、
\(\small{ \ \begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
y=a \\
y=\displaystyle\frac{3x+2}{e^{-x}}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray} \ }\)のグラフの交点の個数を考えていく問題なんだけど・・・・。

今ここまでの説明に「?」って思えたかな。思えた人は正解。本当は
・解法〇
この問題って両辺を\(\small{ \ e^{x} \ }\)倍して\(\small{ \ a=e^x(3x+2) \ }\)にして、
\(\small{ \ \begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
y=a \\
y=e^x(3x+2)
\end{array}
\right.\end{eqnarray} \ }\)のグラフの交点の個数を考えていく問題なんだけど・・・・。

そう両辺を\(\small{ \ e^{-x} \ }\)で割るってことと両辺を\(\small{ \ e^{x} \ }\)倍するってことは同じことなんだ。でも式をみると\(\small{ \ y=\displaystyle\frac{3x+2}{e^{-x}} \ }\)と\(\small{ \ y=e^x(3x+2) \ }\)で全然違うよね。さらにこの問題を解くにはこれを微分して計算していくわけだから、当然計算量も全然違うってことになるんだ。

だから分数式の分母に\(\small{ \ a^{-x} \ }\)が入っている\(\small{ \ \displaystyle\frac{f(x)}{a^{-x}g(x)} \ }\)のような式は\(\small{ \ \displaystyle\frac{a^xf(x)}{g(x)} \ }\)って変形してから計算するようにしよう。

スポンサーリンク


例題を確認
問題解答

次の計算をせよ。
(1)\(\small{ \ \sqrt[3]{\sqrt{125}}\times\sqrt[3]{-25}\div\sqrt[6]{5} \ }\)
(2)\(\small{ \ \sqrt[3]{54}+\sqrt[3]{2}-\sqrt[3]{16} \ }\)
(3)\(\small{ \ \sqrt[3]{54}+\displaystyle\frac{3}{2}\sqrt[6]{4}+\sqrt[3]{-\displaystyle\frac{1}{4}} \ }\)

(1)
\(\small{ \ \sqrt[3]{\sqrt{125}}\times\sqrt[3]{-25}\div\sqrt[6]{5}\\
=\left(5^{\frac{3}{2}}\right)^{\frac{1}{3}}\times\left\{-\left(5^2\right)^{\frac{1}{3}}\right\}\div5^{\frac{1}{6}}\\
=\left(5^{\frac{3}{2}}\right)^{\frac{1}{3}}\times\left\{-\left(5^2\right)^{\frac{1}{3}}\right\}\times5^{-\frac{1}{6}}\\
=-5^{\frac{1}{2}+\frac{2}{3}-\frac{1}{6}}\\
=-5 \ }\)

(2)
\(\small{ \ \sqrt[3]{54}+\sqrt[3]{2}-\sqrt[3]{16}\\
=\left(2\cdot3^3\right)^{\frac{1}{3}}+2^{\frac{1}{3}}-\left(2^4\right)^{\frac{1}{3}}\\
=3\cdot2^{\frac{1}{3}}+2^{\frac{1}{3}}-2^{\frac{4}{3}}\\
=3\cdot2^{\frac{1}{3}}+2^{\frac{1}{3}}-2\cdot2^{\frac{1}{3}}\\
=2^{\frac{1}{3}}(3+1-2)\\
=2\cdot2^{\frac{1}{3}}\\
=2\sqrt[3]{2} \ }\)

(3)\(\small{ \ \sqrt[3]{54}+\displaystyle\frac{3}{2}\sqrt[6]{4}+\sqrt[3]{-\displaystyle\frac{1}{4}}\\
=\left(2\cdot3^3\right)^{\frac{1}{3}}+\displaystyle\frac{3}{2}\left(2^2\right)^{\frac{1}{6}}-\left(2^{-2}\right)^{\frac{1}{3}}\\
=3\cdot2^{\frac{1}{3}}+\displaystyle\frac{3}{2}\cdot2^{\frac{1}{3}}-2^{-\frac{2}{3}}\\
=3\cdot2^{\frac{1}{3}}+\displaystyle\frac{3}{2}\cdot2^{\frac{1}{3}}-2^{-1+\frac{1}{3}}\\
=3\cdot2^{\frac{1}{3}}+\displaystyle\frac{3}{2}\cdot2^{\frac{1}{3}}-\displaystyle\frac{1}{2}\cdot2^{\frac{1}{3}}\\
=2^{\frac{1}{3}}\left(3+\displaystyle\frac{3}{2}-\displaystyle\frac{1}{2}\right)\\
=4\cdot2^{\frac{1}{3}}\\
=4\sqrt[3]{2} \ }\)

point
例えば\(\small{ \ 2\sqrt{2}+\displaystyle\frac{1}{2}\sqrt{2} \ }\)って\(\small{ \
\sqrt{2} \ }\)で括って\(\small{ \ \sqrt{2}\left(2+\displaystyle\frac{1}{2}\right)=\displaystyle\frac{5}{2}\sqrt{2} \ }\)って計算するよね。(実際は括らずにサクッと係数を計算するけど・・・。)

この式を指数の計算として書くと\(\small{ \ 2^{\frac{3}{2}}+2^{-\frac{1}{2}} \ }\)だよね。指数の計算の公式は掛け算や割り算ばっかりだから、元の式が足し算や引き算を含んだ式のとき、各項を公式できれいに変形したら、最後に足し算引き算が残ったこの形になることがあるんだ。このときに、この式は\(\small{ \ 2\sqrt{2}+\displaystyle\frac{1}{2}\sqrt{2}=\displaystyle\frac{5}{2}\sqrt{2} \ }\)を表している式だって思わないといけない。

\(\small{ \ 2^{\frac{3}{2}} \ }\)のように指数が仮分数\(\small{ \ \displaystyle\frac{3}{2} \ }\)だったら、帯分数\(\small{ \ 1\displaystyle\frac{1}{2} \ }\)に変形して、\(\small{ \ 2^{\frac{3}{2}}=2^{1+\frac{1}{2}}=2\sqrt{2} \ }\)のように整数の部分を係数として書こう。

\(\small{ \ 2^{-\frac{1}{2}} \ }\)のように指数が負の数の場合は、負の整数と正の分数の形に変形して\(\small{ \ 2^{-\frac{1}{2}}=2^{-1+\frac{1}{2}}=\displaystyle\frac{1}{2}\sqrt{2} \ }\)のように負の整数の部分を係数として書こう。
例えば、\(\small{ \ 2^{-\frac{4}{3}} \ }\)なら\(\small{ \ 2^{-\frac{4}{3}}=2^{-2+\frac{2}{3}}=\displaystyle\frac{1}{4}\sqrt[3]{2} \ }\)ってなるからね。

(1)は掛け算だけの式だからこのやり方を使うことはなくて、(2)(3)のような足し算や引き算を含む計算に使われるから覚えておこう。まずは指数の計算で式を簡単にして、最後にこのやり方で答えを導こう。

Point 指数の計算

①指数の計算を確実にマスターする
②\(\small{ \ n \ }\)乗根は分数表示にして計算する

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

-指数・対数関数

-,

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

リンス

名前:リンス
職業:塾講師/家庭教師
性別:男
趣味:料理・問題研究
好物:ビール・BBQ